消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

日本というアイデンティティ~墓石破壊、日系人~

考察「モラルと共通意識③」

テレビで見たのだが、ある墓地で、一晩で66体もの仏像を破壊される「事件」があった。
現場映像から、被害のあった仏像は皆、首を落とされたり顔をつぶされたりと
頭部に被害が集中している。
確実かつ確固たる意思をもった犯行と思われる。
この映像を見たときにまず思い浮かんだのがタリバンだ。
タリバン仏像破壊については、詳しくはこちら。↓
http://www.asaho.com/jpn/bkno/works/nhk20010324.html

さて、日本での仏像顔面破壊事件は先月15日に知ってメモしておいた記事だが、
昨夜のニュースで今度は北海道で墓石破壊事件が起こったとの報道があった。
詳しい数字は忘れたが40個近い墓石が割られたり放り投げられたりしていた。

死者を敬する風土というのは、実は世界共通ではない。
仏像や寺社の墓地が日本の死の概念であることから、
死者を大事に埋葬することは仏教思想であると思われがちだが、
実はこの思想起源は儒教にあるという。

仏教の本場タイでは死は畏敬の対象ではなくもっと身近。
具体的な例でよく言われるのが、交通事故の犠牲者に人が群がり、
なおかつテレビで普通に遺体が放映される。
聞いただけの知識であるけれども結構ショッキング。

つまり墓石を大事にしたり「祟り」と恐れたり祖先を敬う気持ちは
日本固有の精神、とまでいかなくても、日本の風土で育まれた風習である。
日本人としてのアイデンティティ、日本人としてのモラリティに直結する観念であり、
それが決定的に冒涜された最近の二件の事件には、重大な意味が含まれていると思う。

あなた、日本人ですか?

日本人の血が混ざっている、というだけで入国審査が甘くなるという
妙な同朋意識。
結果、海外では戸籍が売られ日本語も話せない、日本人ぽくない、
というか多分日本人の血が一滴も入っていない外国人労働者が入国してくる。
女子小学生を殺害したカルロス・ヤギ容疑者にその不当戸籍の例が当てはまるかは不明であるが
少なくとも日本人といえるモラルには欠如している。

なぜ日本の血が混ざっていると入国審査が甘くなるのか?
国内には失業者、ニートと呼ばれる人材があふれ
安い労働力としての外国人労働者を使うことに、
企業としての一時的な人件費メリットはあれど、国家にとってプラスになる要素がはたしてあるのだろうか?

入国を審査し、ビザを発行するそもそもの目的は何か。
外国で生まれて育った人は、どんなに奇麗事を言っても異物である。
外国で日本人の両親に育てられ

日本の常識、日本のモラル

それらを叩き込まれた帰国子女ですら、
この風土に慣れるのに時間がかかるだろう。
それらの基礎教育がなされていない人々を「日本人」として受け入れることには
どうしたって違和感を感じる。

では・・・日本で生まれ育った外国籍の人々への「選挙権」の問題はどうなるかー、
についてはまた後日。

アイデンティティ
この言葉を「個性」と勘違いしている人は多い。
アイデンティティは自己同一性と訳されるが、
文化人類学用語としては「国家」「民族」といった、いわば個人の上のレイヤーにおける、
「国家を国家足らしめる要素・意識」を指す用語である。

アイデンティティを破壊する国民が増え、
アイデンティティが異なる人々が流入する。
この国の、アイデンティティはどこに確立するのだろうか。