離婚再婚
「世界が揺れた日の秘密」」 2010年10月、練馬区氷川台へ引っ越した私は、 わずか1年半後、 2012年2月に、再び文京区江戸川橋に戻ることとなった。 なぜか。 彼女と同棲することにしたからである。 「慌ただしいわね」 ネコは不機嫌さを隠さない。 ネコにと…
「秘密は、期せずしてお袋にまで及び、それを今は後悔してもいる」 前回、前々回をモンハンネタで埋めてしまったのは申し訳ない。 我が家のアイルーも反省している。 今回の「再婚物語」は、当初予告したとおり、 幸せリア充のくせに彼女との仲をひたすら隠…
「モンスターハンターで隠したよ、の巻」 … …… 何もモンスターハンターのところで引っ張ることはなかったかもしれないな… CAPCOM 制作・販売の大ヒットゲーム「モンスターハンター」の仕様上の欠陥、 それは現状の最新作「4」にも引き継がれている問題であり…
「Way To Winding Road」 こんだけ長文を書きながら、 まだ離婚から3ヶ月目ぐらいを書いていることに違和感。 先日(2014年7月19日)、結婚式を盛大にやらせていただきまして、 ご列席の皆様本当にありがとうございました。 これからもどうかどうかよろしく…
「戦略的引っ越し」 「あの時は大変だったわ。デリケートなのよね、あたし」 イヌは人につき、 ネコは家につくといわれている。 前妻との離婚から3ヶ月、 多少の違和感を持ってか、当初は夜泣きしていたネコも、 一週間もすると「まぁこんなもんか」と何も問…
ライク・ア・ローリングストーン 「この場所を離れるのはイヤよね…」 「…つまり引越しには反対だって言ってんだな?」 「犬は人につくけど、猫は場所につくのよ」 「でも家賃高いんだよ、ここは。お前が稼いでくれるならいいんだけどよ」 「ネコはニャートよ…
なぜひた隠しにしてきたのか。 「秘密秘密~♪ 秘密は不思議~♪」 「秘密秘密~♪ 秘密は蜜の味~♪」 ネコたちはゴールデンウィークの明るい日差しの中で陽気である。 4年前のこの日、事件が始まったっていうのに。 今回、離婚物語の第二部、再婚物語を開始し…
はじまりはさみしさから。だがそれでいいと思う。 「まぁ、そんなこんなで、こんな感じさ」 「……」 初夏の日差し眩しく降り注ぐ休日の午後。 2010年7月のある日。 既に上がり始めた気温がこれから始まる猛暑を予感させる。 ワールドカップ南アフリカ大会が世…
序章 「随分久しぶりね」 「そう…だね。3年半、ってとこかな」 「おめかししてるみたいだけれど、何かあったのかしら」 そういう自分も毛づくろいでおめかししている。 ネコの質問はいつもそうで、聞きたくて聞いてるわけじゃない、興味なんてない。 それで…
最終章「しゃべるネコについて」 日本がワールドカップで敗退してから5ヶ月が過ぎた。 アフリカ大会での活躍がめざましかった選手らは海外チームへ召喚され トーナメントはメッシ率いるアルゼンチンが敗退し、 スペインの優勝で幕を閉じた。 私は独り者とし…
7章「カトウのやったこと」その 6月29日。 南アフリカで初開催のFIFAワールドカップ。 予選リーグを辛くも勝ち上がったサムライジャパンが 念願の決勝トーナメントを戦う。 キックオフは11時。 パラグアイ戦である。 「んじゃ、夜に加藤家で一緒に見よ…
7章「カトウのやったこと」その たかが一ヶ月の不倫で相手の人生を台無しにするのは私の本意でもなかった。 であるから最大限の譲歩と提案が、妻にも実施した方法であるところの、 「公証役場での認証証明」であった。 履歴は残るが、公正証書と異なり、裁…
7章「カトウのやったこと」その 「一番素敵な人は、ご飯をいっぱいくれてほっといてくれる人よ」 「そんなヤツはいっぱいいるじゃないか」 ネコの恋愛のハードルは低い。元々誰でもかまいやしないのだ。 欲しいのは自分の安定、欲しいの自分の生活。 「あな…
7章「カトウのやったこと」その 区役所の事務手続きは事務手続きらしく無機質に完了した。 離婚理由を聞かれることもなく、淡々と。 ただ離婚し籍を離れる妻には選択しなければならないことがあった。 私の籍を抜けて、新たに独立した籍を作るのか それとも…
7章「カトウのやったこと」その 「約束はちゃんと守って」 妻に……今は元妻に、この離婚の際によく言われた。 口頭ではあっても、約束したことは守って欲しいと。 でないと何も信じられなくなってしまう、と。 私はいつも苦笑いでそれに応えた。 詫びたこと…
7章「カトウのやったこと」その 「……なんか今日は充実した顔をしているのね」 「あぁ。一応完了したんだ」 僕はネコに書類のコピーを渡して見せた。 ネコは紙の上にドスンとのっかった。どうしていつも、ネコは大事なものの上に乗っかりたがるのだろう。 「…
番外編「不倫とケータイ」 ケータイの進化と一般化と普及は我々の人生を一変させた。 ケータイ普及前、一体全体どうやって待ち合わせていたのか 思い出すのも難しいんじゃないだろうか。 そしてケータイ普及前、 不倫はどうやってやっていたのだろう。 昔の…
7章「カトウのやったこと」その 「結局あなたは何をして何をしなかったの」 「そうだな」 僕は原稿を書くたびに邪魔をしてくるネコをうるさくパソコンから遠ざけながら考えてみた。 「僕は、追いすがった。泣きついた。駄々をこねた。そして諦めた」 「カッ…
7章「カトウのやったこと」その 妻に嘘をつかせたものは、言うまでもない、私の嘘ゆえでしょう。 携帯を見られているとは夢にも思わない (あるいはパスワードロックという虚構で安心している)妻は、 嘘が成立している、と信じこんでいたわけです。 嘘は成…
7章「カトウのやったこと」その 「人は嘘をつくのね」 ネコが欠伸をするしながら言います。 「ツマラナイ嘘を」 「ツマラナイとは限らない」 僕は適当に相槌を打つ。 「嘘は時に人を救うし、時に人を傷つける。ツマラナイ、というほど無意味じゃない」 「ネ…
7章「カトウのやったこと」その 「契約書」 私が渡した紙にはそう書いてありました。 契約書と細則。 全体像と細かな取り決め。 私が考え得る、最善で最も諦めた生活。 契約書に明記された不倫相手のフルネームを見て 妻はすべてを私が把握していることを察…
7章「カトウのやったこと」その 午前三時。 日が昇るにはまだ早いし、夜と言うには遅すぎる。 眠れるわけもなく起き上がりました。妻も居間で起きていました。 「……今何を考えているの?」 「別に」 「俺はもう耐えられない。キミはどうするの?」 「……」 …
さて。 長い物語も今こうして最終章を迎えるにあたりました。 正確には、最終章とあと書きを残すのみとなっています。 当初想定して書いたプロットから、結局ついに倍の文量になってしまいました。 書きたいこと、吐き出したいことが如何に多かったのかが偲…
さて、私は今ネコと二人で暮らしている。 ネコは気まぐれでワガママで、私が構いたくないときに限って命令口調で甘えてくる。 「構え」 と言って甘えてくる。 それでもそんな同居人がいるだけで、私は一人ではない。 仮ではあっても仮面ではあっても家族をも…
番外編「プロジェクトマネジメント◆ 私は、今回相当うまく離婚と探偵をこなしたと自負しているのだけれども 私自身の消耗が激しかったのと、 なんといっても調査時の追加料金が痛かった。 そして今思い返してみると多分に偶然に左右されており、 運が良かっ…
番外編「プロジェクトマネジメント もう次の章にいってしまうつもりだったけれど ちょっとカッコいいことを書いてみたくなったので 「探偵章」の総括を書いてみます。 探偵と言っても、当たり前だけれども万能ではありません。 探偵はひとつの道具に過ぎず、…
5章「探偵ァ 探偵からの成功の連絡を受けて、 私は頭の中でスリーセブンのフィーバータイムを流しながら そのまま見張り続け、出てくるところまで証拠に収めるよう指示しました。 入ってから出てくるまでが宿泊です。 15分で出てきた、なんて証拠資料では…
5章「探偵ぁ 合格発表がもたらされたのはその日の午前2時か3時頃だったと記憶してます。 尾行していた探偵会社から一報がもたらされました。 相手宅への「二人での」帰宅を確認、カメラに収めた。 その後の指示を確認する、というものでした。 私は無言で…
5章「探偵」 妻の勤めている職場は広く、出口が複数ある現場でした。 ビルが複数あり、用事の具合でどのビルにいるかわからず、 普段そもそもどのビルにメインでいるのかもわかりません。 また職場から駅を二路線利用できます。 またタクシーもわりと使う性…
5章「探偵◆ 整理しておきましょう。 探偵社を雇って手に入れるものはなんでしょう。 まずはとにかく不貞の証拠です。 この証拠がなければ相手を追求することも裁判で勝つことも難しくなります。 不貞を臭わせるメールや相手と二人で飲んでる現場写真では足…