消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

喜びは創りだすもの~ターシャ・テューダー四季の歌/NHK

米国のみならず、世界のガーデニストから絶大な賞賛と羨望を集める、
ガーデニングの達人(というか仙人)
ターシャ・テューダーの庭に、NHKのカメラが入った。

庭、というよりは森である。

北米のどっか北のほう、
東京ドームうん十個分(いい加減この比較手法はなんとかならないものだろうか。
他の例ならいざ知らず、北米の雄大かつ繊細な大自然を比喩する言葉に
東京ドーム、とは似つかわしくないだろう。
ナウマン象5000頭分、といったファンタジックな言い回しを考えて欲しい)

とにかく、それだけ広大な敷地全体を
花と木々の一大ガーデンに築き上げている。
齢90を数える彼女は春から夏の日、日が出ている時間毎日表に出て
庭の手入れに勤しんでいる。

尋常ならざる手間隙は、日本でいう、植木や猫の額をコントロールするような
ガーデニング」とは規模も規格も違う。
(正直、何もそこまででかい庭じゃなくても・・・とは思うのだけれど)

彼女は50歳を過ぎた頃に、その広大な敷地を手に入れて
開拓民時代のアメリカまんまの生活様式で一人暮らししている。
電気はごくわずかしか使わずに、
手作りのログハウスに手作りの温室、暖炉でまきをたいて暮らしてるのだ。

老婦人がそんなサバイバルな生き方を!!
と驚嘆してしまうが、どっちかというとすごいのは彼女の長男であることが判明する。

立派なごつい木の家も温室も、その長男が一人で作り上げたというからすごい。
そんな孝行息子は毎朝十時に母親を訪ね、買い物の注文を聞き、雑用を引き受ける。

・・・どっちかというと息子の特集を組むべきじゃないだろうか?

ターシャはガーデナーの間では神話的人物であるが、
それよりはアメリカを代表する絵本作家で知られる。
90歳を過ぎてログハウスで一人開拓民生活をしている現在でも
現役の作家だというのだから恐れ入る。

自分も子供の頃に見た記憶のある子羊の絵があった。

ターシャはコーギー犬をすこぶる気に入っていて、
現在は8代目のメーギーだかと住んでいるのだが、
コーギー犬が大好きだから、絵本の主人公にもコーギーが登場する。
擬人化されたコーギー犬コーギービル」の物語のようであるが・・・
その絵を見て驚いた。

「・・・えっと、ピーターって名前のウサギじゃないですか?」

大自然に行き花と対話し、
頑固という他ない情熱を持って昔ながらの生活を続ける絵本作家。
なんて孤独な生活だろう。
それでも花に囲まれて、大好きな花とコーギーとおなかであたためて育てたにわとりと
それから招かれざるへびたちと暮らしながら、
確かにパラダイス、天国のように印象深い生活であった。

・・・でもコーギービルは、世界一有名なウサギじゃなかろうか・・・?