消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

押忍!闘え!応援団/任天堂

押忍!闘え!応援団
燃えろ!熱血リズム魂押忍!闘え!応援団


ともにニンテンドウDS 専用ソフトである。
ついにクリアしたので、腱鞘炎に痛む右手を押さえながら
こうして感想文を書いている。


実に激烈に熱血するゲームであった。
大満足の一作である。
ちなみに私がクリアしたのは難易度ノーマル「果敢に応援」のみ。
その先の難易度はほとんど神の領域に感じられるので
ここまでで筆をおきたいと思っている。


【ゲーム内容】
リズムアクション。
曲にあわせて出てくる「 廚覆匹隆櫃髻
順番にタッチしていくゲームである。
難易度が非常に高い。
この難易度の高さが実は重要で
失敗を繰り返していくうちにメキメキと上達し
ついにはクリアする、その達成感に麻薬的中毒性と射精的高揚感がある。


「絶対無理」と思っていたステージを
いつのまにかスムーズに右手でリズムを刻めるようになっていくのは
不思議でもあり楽しくもあり、
最終的な超絶リズムに対応できた瞬間、

「自分なんてダメな人間なんだ」
「どうせやっても無駄だもの」
「つまらない人生だ」
大人になるにしたがって消えていった人生への情熱。
あきらめや妥協に対して、


「もしかして、やればできるのかもしれない」
「夢は叶うのかもしれない」
そんな生きる力が最燃焼しだす。
そう、いつのまにか、プレイヤー側が応援されているのである。


我々に足りていなかったのは、ハードルだった。
らくらくと超えられるハードルばかりを選んでいつの間にかやる気やがんばる力を失い
高すぎるハードルを前にしては最初からあきらめて飛ぼうともしない。
結果安全な道ばかりを歩きどこか覇気のない人間ばかりが製造される現代社会において


「がんばれ」
「がんばれ」
「たのむ、がんばれ、がんばってくれ」
海援隊の武田鉄也のごとくエールが届けば
歯を食いしばり、汗と涙を流して
たどり着ける世界があること、


このゲームは、そんな生きる力を克己してくれるのである。



その頑張りは無駄だけど無駄じゃないことを、涙だけが知っている。
いたずらな涙ばかりが横行する昨今で
本気の涙を流せるのはアスリートばかりだろうか?

いや、君がハードルを避けているだけだ。
飛ぼうと努力すること、汗を流すこと、
その先にある本当の涙へ、応援団がエールを投げてくれるのだ。



……そんなゲームです。


つまり私はDS「99のなみだ」を頭から批判しているわけで
「泣きたい? だったらこれをやりなよ」
とさわやかに「押忍!闘え!応援団」を薦めるわけであります。




【収録曲】
音楽、リズムゲームにおいてはなんといっても収録曲が気になるものである。
ゲーム内には20曲程度のいわゆるJ-POP が収められている。
最近(といっても2年ほど前の)ヒット曲が中心だが
意外な昔の曲などもあって選曲には楽しまされる。


当然、曲の好き嫌いなんかもあって
苦手な曲をクリアするまで何度も聞かなくてはならないのは苦痛に感じるかもしれない。


しかしそこは選曲の妙、
そもそもJ-POP からして必ず耳障りのいい音楽がヒットしているのだから
曲を理由にゲームを投げ出すことは一度もなかった。


各曲にはそれぞれ愉快なストーリーが付随しており、
基本的に、町の人が困っているので応援団が応援する、というストーリーなのだが
曲にあわせて応援しているうちに登場人物らと曲に妙に感情移入してしまう。
応援の魔力、である。


収録曲は気にせずにゲーム性だけでやってみて良いかと思うが
知りたい場合はWikipedia にすべての収録曲がのっているので
参考に。


そして注意したいのは、
20曲近くの楽曲ほとんどすべて、
オリジナルアーティストの声ではない、という点である。


これがまた……異様にうまい。
「え? 本人じゃないの?」と耳を疑うくらいに特徴を捉えた謳い方から
「……本人よりいいかも」むしろ気に入ってしまう曲まで。




【ストーリー/キャラクター】

このゲームの最大の特徴は「リズム難易度」であるのだが
一番目立つのはなんといっても「キャラ」である。

濃い。
非常に濃い。
一言で言うなら「80年代ジャンプ」
応援団、という古き良き偏見のままに

「ガクラン」「硬派」「熱血」である。


ストーリーがまた熱血である。
というかむちゃくちゃである。
すべてを「応援」で片付けてしまう強引さは間違いなくバカゲー
どれもこれも笑えるストーリーばかり。


しかしこのゲームにおけるストーリーなど単なる添え物。
こちらを盛り上げてくれる演出が素晴らしいのは間違いないが
「熱血はちょっと……」と敬遠するほど気になるものではない。




【お薦めコメント】
システム的に、「2」の方が非常に快適になっている。
一度「2」をやると「1」がやりにくくなるのだが
「1」の収録曲も素晴らしいので「1」から順番に行うのがよろしいかと思う。



応援団としてJ-POP にあわせて誰かを応援していくのだが
クリアしたとき、自分が応援されていたことに気づく。
多分誰もそんなこと思わないと思うけれど少なくとも俺は応援された。

ありがとう、熱血応援団。