消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その18

7章「カトウのやったこと」その


妻に嘘をつかせたものは、言うまでもない、私の嘘ゆえでしょう。

携帯を見られているとは夢にも思わない
(あるいはパスワードロックという虚構で安心している)妻は、
嘘が成立している、と信じこんでいたわけです。

嘘は成立すれば真実になる。
ばれていれば偽物になる。
嘘を嘘にしたのは私の責任でした。
私は私自らで私を苦しめたのです。



「人の一生てのは一回きりだ」
「楽しくないとか、悲しいことがあったから、なんて言って、やり直せねんだ。だろ。
みんな一回きりの人生だ。わかるか?」
             (オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎



妻との離婚準備が、徐々にではあるものの始まりました。
まずは離婚届。それには署名がいります。
別に誰でもいいのですが、婚姻届同様、成人二名の署名捺印がいるのです。

離婚の理由。嘘を付かざる得ませんでした。
この時点で私はまだ妻を愛していましたし
周りに話すには早すぎました。
不倫相手への慰謝料請求、離婚条件、そして最後の最後を破壊しつくす大きな爆弾。
色々ごちゃごちゃしていたし色々ごたごたしていた。

それからもうひとつ。
誰が味方かなんてわからないですからね。



署名をもらうのに真実を話せないというのはなかなかツライものがあります。
私は嘘で苦しんでいながら嘘をつかなくてはならないわけです。
妻にも嘘をつき、周囲にも嘘をつき、
なんだ、自分が一番嘘つきじゃないか、という
ゲシュタルト崩壊のような状態になりつつあったわけです。

(これを経験すると、世のうつ病などとほざいてる人間すべてを
小馬鹿にしたくなりますね。耐えられないなら死んでしまえ、と。
いっそ死ねたら楽だったろうに)


まぁしかしそこは生来気楽で落ち込まない気質のおかげか
ただ単に事の重大さをわかっていなかったのか
いやだいぶ辛かった気がするんですけれど仕事が忙しかったというか
あとタバコってな割りと役に立つものだというか。



一番早い話が両親でした。
両親てのはこの世で一番損な役回りだな、と思いますが
どんな場合でも子供を助けてくれるものらしいです。
妻と話てそれぞれの父親に署名してもらうこととしました。


母が「楽に死ねる薬をください」と病院に行った関係で
精神病院に入院することになったので親父と会いました。
……つらっと書いてますがなかなかヘビーな状況ですね私。
弟と親父と三人で酒を飲みながら親父に署名してもらい、
じゃあ次は妻の親へ、では私が電話して頼もうか、という段で
「そんな縁起でもない電話も署名もしたくない」
と断られました。


なんか文章が読みにくいのは当たり前ですけれども
書いてて面白く無いからです。


一人っ子はスポイルされるのだな、と思いつつ
挙句署名をすることになったのが、
私が妻を寝取った、十年来妻と付き合ってた元恋人って


いい加減この話めんどくさくなってきたな。
もう連載やめようかな。


一応私が再婚するまでの話を書く予定だったのですが
取り敢えず今日はここまでにいたしとうございます。
ちなみに、素面で書いてます。しかも珍しく。


(多分つづく)