消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

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「遠子のいた夏」その7

空気も蝉の声も止まってしまったように感じた。
遠子の白く美しいワンピースははだけ、そこに白濁した汚れが放出されていた。
拷問のような暑さ、湿気のように大気を満たしている蝉の声が遥か遠く、かすかな耳鳴りのように聞こえる。
神社山の湿った真っ黒な土に手をついて、僕は乱れた呼吸を整えようとしていた。

目を、閉じることができなかった。

遠子の大きな目は非難するのでもなく、肯定するのでもなく、まるで僕の後ろ側の木々の重なりを見つめているかのように、四川は曖昧で落ち着いていた。
時間が止まってしまっているように感じられた。けれども僕の地面についてない方の手の中で、屹立した僕の罪が先程までの暴力的な衝動を急速に失っていくのがわかった。
そして、蝉の声が戻ってきた。

遠子のワンピースを汚してしまった。


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店長「……」
カトウ「……」
店長「これ、エロだよね?」
カトウ「いや、えっと、」
店長「何、エロ小説書きたいの?」
カトウ「いや、これは中学生の不器用な純愛を甘酸っぱく描いた作品でして……」
店長「でも出しちゃってるじゃない」
カトウ「……はぁ。出しちゃってますね……」
店長「……」
カトウ「……」
店長「……18歳未満は淫行なんだよねー」
カトウ(……そこ!?)


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