消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

両方悪い。それか、制度が悪い。

離婚ブログなんか書いてしまった私ですが
不倫に対して否定的であったり、毛嫌いしているわけではないのです。
このブログの「離婚編」でも何回か書いてきたことだし
時折思い出したようにこうして書いているわけですが、
私は「不倫、即、悪」
とばっさり切り捨てるような桃太郎侍ではないのです。
正義の味方気取りでも無いです。

不倫においては正義はそんざいしません。
する方も、される方も、相手にも。どこにも。
愛が勝つわけじゃないし、この人に会うのが少し遅すぎただけでもないし
世界が壊れても離しはしない、じゃないし、
もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対、でもない。

満たすか、満たされないか、だけ。
男女の仲なんて何処まで行っても、それだけ。これだけ。本当にまるごとこれだけ。

これに余分な成分がごってごてと大量にトッピングされることで
「入大野菜ニンニクチャーシュー増し増し」になったり
「ネギダクつゆだくだく」になったり
「コールド・ストーン、全部入り歌も踊りもだくだく増し増し」とか
もうわけがわからないどれが本体かもわからない味になっちゃうけれど
でも本質は一個。中身は一個。満足。
その満足が牛丼なのかラーメンなのかアイスクリームなのかは
人によって違うのだけれど。

人によって違うのです。
牛丼が食べたければラーメンを食べたい日もあるのです。
妻と一緒にいたければ、別の女と一緒に居たい時もあるのです。
「そんなのいけないことじゃん」と言う前にはっきりさせておきたい件がある。

「あなたは相手(妻、夫、恋人)を、365日休みなく満足させられますか」

YES と答えられたなら大したもんだわ。
あなたには何も言うことないわ。
無尽蔵に湧き上がる愛と情熱と365日×18時間分くらいの、
話のネタ、退屈しないネタ、間をもたせられるネタ、楽しくさせられるネタを
ぜひ惜しげも無く相手に注ぎ続けて欲しい。
ちなみにそれ、365日終わったら、次の365日が待ってるから。

そして、
おそらくは圧倒的大多数である「そりゃ無理だわー」な方々と同意見である
私としましては
もうね、もう絶対無理。それは無理。
毎日毎日会社から帰って自分の愚痴は一切飲み込んで
子育ての愚痴と公園ママさんの愚痴と近所の特売スーパーの割引率と
それが実は西友の方が安いことをあたしは見ぬいて西友まで出かけただの

聞いてられるか!!??
そしてそれを、夫を楽しませるために話しているのか!? 妻!?
お互いにWIN-WIN の関係と言えるのか!? その状態。


「セックスのあと冷たい。すぐ寝ちゃう」
って、起きてられるか!?
先週から準備したデートプランを完遂するために
朝早く起きて車で迎えに行ってデートコースを回って
食事の度に財布と胃を痛めてようやくホテルに辿り着く頃には
彼氏疲労困憊ですよ!?
残業6時間、実労13.5時間くらいの疲労感は持っていて
さらにたっぷり前戯して腰も振って緩急つけて、って

起きてられるか!?!?
おい、起きてられるのか!?
深夜残業のあとにフットサルやったくらいの疲労度だぞ?
助手席で渋滞の中寝息立ててたお前と違うんだぞ?
これでWIN-WIN の状態と言えるのか?! 実際。


そして、今私は男側の立場から憤ってみたわけですが
逆の立場側である女性に言わせれば、
そこにはそこの言いぶんもあるわけですし、
今度じゃあ妻が一切愚痴も言わず甲斐甲斐しく旦那の分は一品多く
旦那より早く起き旦那より遅く寝るような生活になられても
それはそれで怖いわけですよ。
フラストレーションが溜まって何言われるかわからないですからね、この時代。
DV ですよ、DV.なんでも。DV。

あるいはドライブ&セックス&ザ・シティ的な恋人の彼女側が
「疲れてるだろうから」ってベッドで馬乗りに乗ってきて
腰のグラインドが凄まじくてあっという間に昇天、なんてのも
望んでないんですよ、男は。
どこの娼婦だよそれ、ってね。
面倒だなと思いながらも恥じらって貰いたいし
服脱ぐ前に電気消してとか言われてみたいもんなんですよ。


つまりですね。何が言いたいかというとですね。
全部満たすことは無理なんです。
娼婦のような処女はいないんです。
メイドのような母はいないんです。成立しないんです。

「亭主元気で留守がイイ」なんてCM がありましたが
実際問題365日24時間一緒でも息が詰まるもんなんです。
365日24時間を一対一で満たすのは無理があるんです。
無理がないのは新婚最初の三ヶ月までなんです。


じゃあちょっと言い方を変えましょう。
本、読みますか?
本は二人で同時には読めません。
電子書籍ならiPhoneiPad で同時進行的に読めるかもだけれど
読む速度も違うし、そもそも趣味が違ったら片方苦痛でっせ。

映画は? テレビは?
まぁ同じですね。同時に見れるけれど、
ゾンビ映画は彼女が嫌がるし、
アメリを見ると「女の願望だけが詰まった映画」とかしたり顔で批評されるし
お笑いばかりじゃなくてたまにはNHK 特集とかみたいし。

24時間365日ふたりきりの空間に閉じ込められて正常でいられるでしょうか。
宇宙兄弟」読むと出てきますが、
宇宙飛行士の適性試験と訓練が必要なレベルなんですよ、それ。
他者とずっと一緒、って。

ゲームしたいし。プラモ作りたいし。たまにゃエロビデオも見たいし。
ヨガに行きたいしオープンカフェ行きたいしたまにゃグッチも欲しいんでしょ!?

他者と他者が一緒にいるということは、お互いに何かを削り合っているのです。
得られるものもあります。でも削るものも厳然とある。これは事実。
で毎日同じ所ばかりが削れてしまっていると・・・形がいびつになる。

だからたまに、角度を変えたくなるのですよね。


以上までが、不倫(浮気)擁護的な内容であります。
現実問題としてふたりきりで満たされるというのは不可能であり、
それは日常のあらゆる場面で証明がされている、ということを、
カトウっぽい口調で嫌らしいほど長々説明した次第です。

私は、長々離婚に至る経緯詳細をこのブログに書いたわけです。
そして結論としては、思いもよらぬ「勝ち方」をしました。
しかしそれは私が望んだ勝ち方では無く、
望まぬ報酬が得られる勝利は、それはもう勝利と言えるでしょうか?
勝利を定義するのは世間じゃありません。本人です。
本人が「こんなはずじゃなかった」と思ってたら、
慰謝料を奪い取って良いネタもらって世間体も傷つかなかったからといって
「勝利」とは呼べません。

私はその離婚の詳細報告の中でこんなふうに話したはずです。うろ覚えだけれど。
妻がどこかで何か新しい楽しみを見つけて楽しんでくるのはいい。
その後、ちゃんと私のいる家に帰ってくればいい。
・・・若干表現が綺麗なので正確に描写すると、
外で他の男の肉棒突っ込んでアヘアヘ楽しんできてもいいから
遊んだ後は、家にも帰ってきて、俺の相手もしろよ、と。

「楽しみを満足をそのすべてを俺個人に求めるな」と。
「自分で外で遊んでこい。暗くなったら帰っておいで」と。
まぁ帰って来なかったわけですが。


というわけでですね。
一夫一妻制にはわりと無理がある、ってことなんですね。
いや、一夫一妻制はそれはそれでいい。子供、家、というものを守るには
一番シンプルで一番合理的な形だ。
それに、日本の小金持ちが一夫多妻制で妻を何人も養えるわけがない。
あれはアラブの富豪だからインカム的にやっていけるだけなんです。
甲斐性もないおっさんが愛人囲うなど愚。稼いでから言え、ってことなんです。

え?
じゃあ一夫一妻制じゃ成立しないのに一夫一妻制でいい、ってこと?
いや。自分が言いたいのは「不倫、即、悪」という、
そういう桃太郎侍的な断罪方針に対しての疑念なのです。
だって無理があるじゃん、って話なんです。

「あなた子供抱えて不倫されたことあるの!? 一人で待つ妻の気持ちもわからないで!」
えぇ、わかりません。すいません。
あなたはその辛さに対して慰謝料をもらう権利があります。
でも、辛くならない方法があったでしょうか。

一つには、夫を制御しきれなかった妻にも問題がある。
それは、不倫された夫である私が、彼女を満足させ切れなかったことを認めることと同義。
でも、不倫してる側を擁護するつもりもありません。
日本の法律は弱者に圧倒的に優しいし、
証拠をちゃんと集めればじゃんじゃか「被害者側」が勝てるのです。
それは事実。それは、この国の制度。
人を殺したら罰せられる。それと全く同じように、全くわかりやすく、
罪には罰が生じるもの。
不倫する側はそれを受け入れる覚悟がなければなりませんし
大抵の場合、破綻します。人生。

するも地獄、されるも地獄。
「じゃあどうすればいいのよ!!」
ってなると、結婚しなければいい、としか言い用がありませんよね。
で「結婚しなければいい」ってなっちゃうことが、
本質的に結婚って制度のダメな部分、NG な部分を示していると思うんです。
「結婚しなければいい」じゃない社会、風土、制度を作ることが
少子化に向き合う政府に課せられた使命、
と、思いっきり議論を放り投げた形で終わることにしたいと思います。

あのね、
ただね、
いくつかキーワードだけ上げておくと
・足るを知る
・自分一人の人生じゃない
・不倫は4割増し

こういう簡単な単語をちゃんと知った上で、
100点じゃない、70点そこらの満足を作り上げることですよ。
どうせ、独り身だって65点くらいの人生でしょ?
捨てるものと得るもの併せて、70点になれば、ちょっと「勝ち」じゃないですか。