消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

金という業

デイトレーダーという職業のしんどさを想う。
確定するまで利益は出ず、
しかし一生の利益を出せているわけではないので、
稼いだ金を種にまたつぎ込まなくてはならないのである。

食べ物で考えたら、その悪循環がちょっと想像できないか?
おにぎりをつぎ込む。
腹ペコである。
おにぎりが少し増える。2割位。
喜んで食べようと思う。
しかし種銭がなくなったらもうつぎ込めない。終わってしまう。
じゃあ2割だけ食べてまたおにぎりをつぎ込もうか?
しかしこのゲーム、つぎ込むおにぎりが多ければ多いほど儲けが期待できる。
おにぎり丸一個食べないと満足できないのだからその分利益が出るまでつぎ込まなくてはいけない。
1.2個のおにぎり。
ごくりと生唾を飲み込んでBET する。

すると…
次の日には消えてるかもしれん。
レートが下がって全部ぱぁになってるかもしれない。
そういう世界。

サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだ。

本日、3年間寝かせたドルを開放した。
85円くらいで買い、117円で戻した。
純利で24万円ほどである。

一言で24万円といえば、それは立派な金額である。
ちょっとした一ヶ月の稼ぎに等しい。
しかしそうだろうか?
3年もかけてやっと手元に増えた24万円、1.2個のおにぎりの増えた分を見つめる。
…3年もかけてこれだけ?
という気分は当然でなかろうか。

まじめにコツコツ、何かしらの仕事をしていれば
稼げる金額に3年もかかる、為替。
何もしてないで増えもするけれど、
もしかしたら消えてしまったかもしれない銭。

3年前。2011年。
東北大震災に見舞われた日本。
リーマン・ショックの影響もあってだろうか。
なんだか知らないけれど、空前の円高であった。
それがアベノミクスだか何かの力技で、3年かけて117円まで持っていったのである。
90円割れたら日本経済が破綻する、と言われる中で85円、80円、東北大震災。
それでもどうやらこの国は滅んでいない。
日本人が頑張ったのか、
大げさな人たちが大げさなことを言ってただけなのか、
それとも実は裏側では崩壊が始まってるのか…。

火事場泥棒みたいに手に入れた、
円安効果による利潤、24万円。
…それほど嬉しくないのはなぜだろう?