消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

Push Talk は第三世代のキラーサービス足りえるか①

最近CMをにぎわせているPush TalkAUではHallo Messenger と呼ばれるサービス。
これは従来の携帯電話の「音声通信網」を利用した音声通話サービスではなく、
パケット通信網を利用した、IP電話と同じ音声通話サービスである。

私のつたない言葉で説明するよりも、IT系の各種サイトで技術的な部分は理解できる。
http://www.keyman.or.jp/ml/003/30001121/
http://www.wince.ne.jp/snap/cnBoard.asp?PID=1682

まずこの、Push-To-TalkDoCoMoのものではなく、システムとしての)サービスのポイント。
1.高速パケットを利用したシームレスな「同時通話」
2.双方向通話のため、相手の状態を知ることができる
3.同時多人数通信。AUは5人、DoCoMoも5人だが、追加料金で人数は拡大できるらしい。

まず、AUDoCoMoのサービスを比較する。
決定的に違うのは、AUはチャット、文字通信を基盤として、それに音声サービスを付加した点。
DoCoMoは音声のみのサービスである。
しゃべれない状況がありえることを考えればAUの方が圧倒的に利便性は高いが、
よくよく考えてみると既存サービスを超えられる機能とはとても思えない。
メッセージや添付データなら同報配信のメールで事足りるし、
掲示板がこれだけ乱立している時代に、チャットは目新しい機能とはいえない。
便利ではあるだろうが、
「追加料金」
「機器購入」へ人を動かす魅力には欠けるだろう。

やはりこのサービスの肝は「音声同時多数通信」に尽きると思う。

では音声送信の機能概要を見てみよう。
操作手順は簡単に書くとこのようになる。
開始ボタンを押す

アドレス長が開くので、通信相手を選択(5人以内)

通信が確立されたら、ボタンを押して会話する(発言は5秒以内)

・・・電話じゃん。まんま電話ですよ。
便利なのは相手が多人数である、という点。
通信的には、会話時のみに通信が発生するので、電話のようにお互い無言でも通信回線を占有してしまう、ということはない。
パケットを利用しているという点で安価な通信を実現できるはずである。
しかし、サービス内容は、AU、NTTとも、2秒1円(サービス期間終了後)
在りし日の公衆電話、3分10円と比べると実に9倍の価格を実現。
けっこう高い、と感じる。
パケット定額制が各キャリアで発表されていく中で従量制の課金システムには抵抗は大きいだろう。

おそらく「パケット」と一口に言っても、通信プロトコルは異なるはずである。
実際のメールのやり取りをしているとわかるとおり「リアルタイム通信」には程遠い速度である。
このPush Talkのために別個の通信プロトコル、別個の通信サーバをたてていても不思議はないので、
どうしても料金は割高になるのだろう。

もう一点。シームレス、即ちリアルタイム通信(会話)。
これを謳っているようだが、実際よく思い返してもらいたい。
Eメールの使い勝手のよさ、メリットに、「非同期」という特徴があることに気がつく。
メールは一方的な通信であり、相手の都合を考えることなく言葉を発することができるコミュニケーション。
受け取る側も自分の好きなときに受信し、自分の好きなタイミングで返信すればいい。

非シームレスだからこその利便性であったのだ。

(続く)