消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

シド&ナンシー

セックス・ピストルズの伝説的ベーシスト(?)
シド・ヴィシャスの生き様を描いた映画。
「ヘドウィグ・アンド・ザ・アンルリーインチ」みたいなのを期待していたけれども
悲しく切なく腹立たしいほど青いジュブナイルでありました。

生き様そのものがパンクであったというパンクの魂
シド・ヴィシャスという人間が良く見えて
伝記映画としては良作だと思われる。

ただ全体に「知ってる」こと前提で作られているようで
驚くほどすべてが説明不足。
もっとも、シドに限らず人生というものに説明がいつもついているわけもないので
これも正しい「伝記映画」なのかもしれない。

シド・ヴィシャスのことを知りたい、というには不向きであろう。

パンク魂を持ち合わせていない私にとっては
響くところ少ない映画であったけれども
人間シド・ヴィシャスを切なく描いていたように思う。

とりあえず一番共感したのが、
シドと恋人ナンシーの、
他人の目を気にせず二人の世界に没入しところ構わず愛をぶちまけるはた迷惑さで
「なんだ、俺ジャン」
とシンパシーを得てしまった。

シド・ヴィシャスから、パンクを引いたら俺になる?
それってものすごく見てられない・うっとうしい・厄介な
人物像だった。
映画を見て、ひとしきり反省。
これからはパンクを入れるよ……。