消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

星のない空を眺めて

東京の空を見上げる。
夜の冷気に手足がしびれる。
東京の空にわずかに光るのは、冬の大三角
プロキオンシリウス、ペテルギウス。

この空の下で、言語が二つ、絶滅した。
アダマン諸島にてその言語を伝える最後の二人が相次いで亡くなった。

力の無い小さな哺乳類であったヒトは
忌むべき火の力を得て文明を築き
家族を村へ、村を町へ、町を都市へ、都市を国へ。

集積した世界はバベルの塔を経て再び離散される。

それでも求め合いつながりあい寂しがりアメーバのように醜くつながりあおうとする結合は

二度の世界大戦を行使するまでに密集しておきながら


あらためて個へ離散しようとしてる。

小さな星しか見えない星の下


どうしたかったんだろう。
どうなりたかったんだろう。
空を閉じてまで。