消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

New スーパーマリオブラザーズ Wii/任天堂

「気がついたら『マンマ・ミーア』と叫んでいる」

イタリアのヒゲおやじ如き活躍になにゆえ一喜一憂せねばならんのかわからんが
知人が言うそんな熱中度を確かめたくて「New スーパーマリオブラザーズ Wii
を購入した。

任天堂Wii 専用ソフト。まぁ読んで字のごとくである。

嫁が帰ってきたら一緒にやろう、と思っていたのだけれど
とりあえず様子をみるために一人でプレイしてみる。

……まごうことなくスーパーマリオである。
何一つ疑うところなくマリオである。

クリボーがいるから踏みつけて
違法スレスレのキノコを食べて巨大化し
目の色を変えてコインをとり続ける

どっからどうボタンを押してもマリオであった。


まさかと思ってファミコン版のスーパーマリオブラザーズを慌ててプレイしてみたが
Wii で)
同じであった。


そりゃそうだ。
マリオがいきなり伝説の勇者の血を引いていて
制作費30億円のコンピュータグラフィックスびしばしの超大作ゲームになっていても困る。
マリオはキノコを食ってぶっ飛んで亀を踏みつぶしてピーチ姫をさらわれていなくちゃならんのだ。

しかし毎回姫がさらわれるのだからキノコ王国のセキュリティはそろそろ見直されるべきであるが。


たこ焼きを食っていたせいで終電を逃した嫁が帰ってきたので
「マリオだったよ。ドラクエじゃなく(もちろんFF でもなく)」
と分析結果を伝えたところ
貴様の感性ではつかみきれないものを見てみたい、とバレンタイン目前の金曜日の深夜一時に嫁が言うので
今度は二人同時プレイにとしゃれ込んでみた。


これが今回のマリオの醍醐味であるのだが、
なんと同じステージを一緒に進めることができるのだ。


妻がヨッシーに乗った。
ヨッシーと言うのは主に緑色の巨大なトカゲで、顔がカエルに似ておりおそらく脳みそは非常に小さい。
腹が出ているので中年だと思われる。
マリオやルイージはこの巨大トカゲに乗り、敵どもをことごとく巨大トカゲに食わせながら進むのである。
任天堂なので直接的な表現は避けているが
生きながら噛み砕かれたクリボー、ノコノコ(亀)の断末魔、飛び散る体液が画面全体に飛散している。


妻が、私自身を口にふくんだ。
正確に言うと、妻が騎乗しているヨッシーに命令し、私自身であるルイージを食った。
そして私が出した 1up キノコを奪った。
その後、口にふくんだままの私自身を(なんか卑猥な表現だな、これ)


ミカンの皮を吹き捨てるように「ぺっっ」と穴へ吐き捨てた。
味のなくなったガムか何かのように。



かくして、私たち夫婦は、一つ目のワールドにて血で血を洗う醜い争いを繰り広げたのち、
ピーチ姫どころか最初のボスを倒すことすら叶わず、全滅したのであった。


なんとひどいゲームだろう。
友を食い愛を吐き捨てるCEROレーティングZ クラスのゲームである。

お薦めである。