消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

さよならAU、こんにちわiphone その1

予約から待たされること一ヶ月。
ようやくiphone4 入荷の連絡が届いた。
随分じらしてくれるじゃねぇか、え? Apple さんよ。
あんたのやり方はわかっているんだぜ?
じらして、そらして、伸ばして、またひらりと逃げて
こちらの心を束縛しようって腹だろ?

……見事にあんたの思い通りだよ。笑えよ。

モノと金の溢れる日本で生まれ育ったから
金さえあれば欲しい物なんて即座に手に入れられると思ってた。
愛だって、夢だって。
たかが携帯デバイス一個を一ヶ月も待たされるなんて
本来の俺なら我慢ならないところなんだぜ?
え? Appleさんよ。
……お前ほんとにいい女じゃねぇか。



iphone の良さや楽しさを今更ブログに書いたところで何の目新しさがあるわけでもない。
ここではAU からiphone へ移行する、心の苦労を綴りたいと思う。
一夜あけた現在でもその苦労は終わっておらず
早くもAU へ戻りたい気持ちでいっぱいである。

年をとると人間、保守的になる。
新しいものを受け入れがたくなる。
タッチパネルの時点で拒絶反応がものすごいことになっているのだけれど
それ以上に今現在苦労しているのはアドレス帳移行である。


順を追っていこう。
AU から乗り換える人にとって重要なのは(他のキャリアも同様だろうが)
・契約切り替え時期の確認
・溜まりまくったポイントの処遇
・覚悟

この三点となる。
契約切り替え時期というのは、人によるのだけれど
割引を得るために二年間毎の契約をたいていはキャリアと結んでいる。
この契約を無料で破棄できるのは二年のうちのたった一ヶ月。
この一ヶ月が「iphone まじで欲しい!」という時期と重なるかどうか。
それに尽きる。


普通は重ならない。
ので違約金を払うことになるのだけれども
全キャリア9800円のようである。
安くはない。しかし致し方ない。


この違約金を、ポイントで補充できる仕組みがAU にはあるそうである。
なのでAU 脱出を図る人はまずこの確認をするべきだろう。
iphone が届くまで一ヶ月待たされるのだ。
出来る準備はしておこう。

まず何はともあれAU ショップへ向かう。
「お前と縁を切ることにした。手切れ金をまけてくれないか」
と、ほぼ意味合いとしてはこのまんまのことを窓口で行ってみた。
「……いい度胸してるじゃねぇか」
という表情を浮かべながら、AU ショップ店員は引きつった笑顔で対応してくれた。


手切れ金(違約金)をポイントでまかなうにはある契約形態である必要がある。
私の契約はどうやら違ったようだ。
それが気まぐれに変えられるものなのかどうかはわからない。
私は長いものには巻かれるたちなのでさっさと諦めて
「じゃあこのたまったポイントを何かに還元できないか」
尋ねてみた。

「お前と手を切るんだけれど何かくれ」と言っているわけで
我乍ら人間性を疑いたくなる行動である。
「お持ちの携帯のバッテリやケース、充電アダプタなどがございますが」
「バカぬかせ。使わなくなる携帯のバッテリ寄越してどうすんだよ」
「……ですよねぇ……」
接客業ってほんと大変。殴りたくても殴っちゃいけないんだもの。


AU ショップでは即交換できるものは、バッテリやアダプタ、
即ちAU でなければ役に立たないアイテムだけである。
だがオンラインのショップではもうちょっとだけ汎用性のあるものと
ポイントを交換することができる。

例えば様々なストラップ。例えば携帯を置いとく卓上ネズミ(ネズミ!?)
……まぁ正直いらないものだらけだが
溜まりに溜まったポイントがカスミのように消えてしまうよりはましだろう。


さぁ本日の最重要注意点。
AU ショップで注文した品が届くまではAU を解約してはならない」
これ知らなかったー。
さんざん注文した挙句、まさかのこのしばり。
オンラインショップから品が届くには10日間ほどかかる。
私はiphone を買う当日にAU ショップに行ったので全く遅かった。
遅咲きのヒーローだった。いや咲かなかった。


こうして1万ポイントをドブに捨てつつ、私はAU を決別した。
長い夜が始まったのである。……


(つづく)