消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その10

5章「探偵ァ


探偵からの成功の連絡を受けて、
私は頭の中でスリーセブンのフィーバータイムを流しながら
そのまま見張り続け、出てくるところまで証拠に収めるよう指示しました。
入ってから出てくるまでが宿泊です。
15分で出てきた、なんて証拠資料では不貞証拠に成り得ません。
すっごい早い二人なのかもしれないけれど。


そして翌朝、私の仕掛けた罠がブーメランのように私に帰ってきました。
13時を過ぎても14時を過ぎても出てこない、というのです。
「時間切れです」
探偵から連絡が入りました。
「もう契約時間をだいぶ過ぎてしまってます。これ以上はうちもさすがに。
 延長ということでもう一枠いただかないと続けられません」


そうです。契約は時間単位です。ボランティアではない以上
向こうも何十時間も張り込みを続けるわけにはいきません。
そうでなくとも、契約時に私の無茶な要求に応えだいぶ割引してくれてますし
もう3時間はサービスで延長してくれているのです。

もう一枠……15万円……。
なんて金額流出させてくれるんだ、嫁。
私は歯ぎしりしました。
言うまでもなくこれは私が弄した策の弊害でした。
私は妻に「翌日は母の見舞いにいって夕方まで戻らない」と言ってしまっていたのです。
それに安心した妻が長く愛人宅にいれると判断しダラダラと時間を過ごさせてしまったのです。
完全に裏目にでました。


私は苛立ちながら妻に電話し早く帰るようにいいましたが
「だって夕方まで戻らないんでしょ」と切り替えされて何も言えません。
それでも人妻が外泊して夕方まで戻らないとはどういうことだ、
と叱りましたが、動きはありませんでした。


結局一枠延長で不貞証拠となったわけですが
ひとつのミスがキャバクラ8回分という手痛いダメージになることを
痛感したわけでした。
おのれ15万円…キャバクラ…。


手痛い出費をしつつも相手先の住所を獲得した私。
これで裁判資料に必要な「二回分の宿泊証拠」も楽に手に入るし
家まで割れてる、というのは相手と戦うとき相当なプレッシャーとなります。

もちろん家だけだったら引っ越せばいいので武器としては弱い(ミスリルの剣くらい)。
相手のヤサを把握したのだったら、職場まで押さえておきましょう(グングニルの槍くらい)。


ここでひとつ注意しておきたい。非常に重要です。
探偵業法上、無関係の第三者を調査することは禁じられてます。
探偵というのはなかなか危険な職業ですので
法律でしっかり見張られています。
単なるストーカー変態に「いつも19時半に〇〇駅でおりる女の個人情報」
などを調査してしまってはお取り潰しの危険性があります。

そんなラフな感じで調べられてもイヤだしね。


私は妻の不倫相手の携帯番号などを把握していました。
この番号があれば、実は相当なことまで調べることが可能です。
携帯会社は守秘義務があるので絶対に契約者の住所等漏らしませんが。
(しかし携帯会社の社員などが不正をしていないとは誰も断言できまい)
携帯番号と住所、という組み合わせで紙に書いた思い出、
皆さんなら何かしら思い当たりますよね?


もっと楽な、素人でも出来る方法を大公開しちゃいます。
この方法は探偵会社は絶対しません。違法だからです。
あなたもこれやったら違法性を問われるおそれがあります。
だからダメだよ? 教えちゃうけど。


「どうもはじめまして。私NTTドコモ(例)の××と申しますが、
 〇〇様(相手の名前)の携帯でよろしかったでしょうか。
 実は弊社で携帯満足度調査を実施しておりまして、抽選で景品もプレゼントしておりますので
 簡単なアンケートにお答えいただいてもよろしいでしょうか?」


さぁきた。
さぁどうよ。
これで断られても別の会社名で後日電話すればいいだけだから
引っかかるまで試せるよ。
携帯の番号とアドレスから携帯会社は簡単にわかる。
携帯会社からの電話だと思えばわりと警戒心なく答えちゃうからねぇ。


いやー、違法のニオイぷんぷん。
実際以前こういう詐欺まがいの電話が横行した時期があって問題になりました。
くどいですが探偵会社はこういう調査はしません。
なぜなら、
「宿泊の事実を確認するまで、その連絡先の所持者が不貞の相手とは判断できない」
からです。


実はこの時期、実際に妻の不倫相手に詐欺まがいの、この電話が来て
住所までぺらぺら話していたと聞き、肝を冷やしつつも笑ってしまいました。
それを友人の話として私に相談する妻。大げさに心配する私。
狐と狸か知りませんが、ほんっと茶番だったなぁ……。
(こういう話をブログに書くと辛くなる友人と大喜びする友人がいて
つくづく人間心理の多様さを思います)

むしろこの不倫相手の失敗談を聞いたからこそ思いついたアイデア
後日探偵会社に「こんな調査してないだろうな」と問い詰めたら
鼻で笑われた。
探偵会社にしてみれば、
あなたの小さな依頼料でそこまでリスク背負いますかいな、
ということだったのだろう。


(つづく)