消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

世界の半分をくれてやろう

竜王「世界の半分をくれてやろう、どうだ?」

ちんた「……」

竜王「半分だぞ?」

ちんた「じゃあそれで……」

竜王「ふはははは!! これで勇者も魔王の仲間入りというわけだな!」

ちんた「……」

竜王「それでは早速何をする、勇者よ」

ちんた「……世界の美女を……」

竜王「何?」

ちんた「世界の美女をはべらせて、酒池肉林を少々……」

竜王「……それが勇者の発想か?」

ちんた「せっかくだし……」

竜王「そんなことしている暇はないぞ、勇者よ。貧困、不景気、環境破壊。
   世界中は今悲鳴を上げているんだぞ?」

ちんた「……」

竜王「金融不安による経済低迷。就職難。ギリシャを含むEU 諸国の問題があるだろう」

ちんた「えっと……」

竜王アメリカも立ち直れていない。日本は余波を受けながらもガラパゴス的に
   体裁を保っているかもしれんが、いつまでもつやら」

ちんた「……」

竜王「中国は好景気だが華やかな裏側では環境破壊、経済格差、政情不安など
   抱えてる問題は山積みなんだぞ」

ちんた「いや、それは……」

竜王「世界の支配者とは言ってみれば世界の大統領だ。混迷する21世紀を
   立て直す義務があると思わんのか?」

ちんた「……お前結構真面目なんだな」

竜王「勇者よ、世界の半分を任せる以上お前にも責任というものがあるんだぞ!?」

ちんた「いや俺そんなつもりじゃ……」

竜王「世界から紛争を根絶できたなら酒池肉林でもなんでもよかろう。
   しかしまずは諸問題に取り組まねばならんだろう」

ちんた「そこは国連とか政府とか、もっと偉い人達に任せるよ……」

竜王「我々が世界の支配者なんだぞ!? 我々がやらねば誰がやるんだ!!」

ちんた「えーい、もうめんどくさい!! やっぱり戦う!!」

竜王「ちょ、ちょっと勇者、貴様ワシを倒してその後どうするんだ!?」

ちんた「お姫様と結婚するんだよ!! ベギラマ!!」