消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

大物エクセルに振り回されっぱなし

エクセルが突然、冗談みたいに遅くなった。
何か呪いでもかけられたみたいに、遅く、重たい。
開くのも遅ければ、セルを編集するだけで10秒ほど待たされる。
たかが10秒といわれても、一つ一つの作業において待たされる砂時計は
永遠より少し短い程度の果てしない時間だ。

再起動してもディスクやレジストリを掃除しても笑顔で操作してもダメ。

仕事のほとんどがメールとワードとエクセルで構成されているので
生まれる前に戻りたいほど辛い。

いくつか調べてみたら、これがドンピシャで該当している感じである。

http://support.microsoft.com/kb/2575312/ja

確かにネットワーク上のエクセルファイルが異様に遅い。
しかし、と言って、ローカルに持ってきても、
多少は改善されるのだが、苦痛な程度の痛みは残っている。

しかしもかかしも、
上記アドオン問題解決方法を実践してレジストリを作ってみたりしたが
これまた若干の改善ばかりで、
平日の郊外で法定速度を守るくらいに遅い。
コンビニですべての端数を小銭で払おうと四苦八苦している人、
の後ろで待たされてる時のような苛立ちがある。

どうしたものか…エクセルがなければ仕事ができない、
というより俺じゃなくてエクセルが仕事してたわけだから
俺なんかどうせ要らない子だったわけだし
そう言えば両親にあまり似てなくてどことなく冷たかった記憶があるし
まぁそれは嘘なんだけど人から愛されるのが苦手だったり
それもまた嘘だけど結局俺はいらない子
戸籍には×がつけられてるし
それは俺の戸籍でさやかんところにつけられてるので
エクセルとかオフィスとか関係ないかもわからんけど、

愛なき時代に、どうやって仕事していけばいいかわからない。

僕が働いていたのではない。
エクセルが働いていたのだ。
すべてはエクセルのごきげん次第なのだ。

「先生、先生、困ります、先生が働いてくれないと僕、困っちゃいます」
「しかしな、加藤くん、いかんせん、動けんのだよ」
エクセルはやけに尊大な態度で答える。
確かに、この業界でエクセルは重鎮だ。大御所だ。
文壇の頂点立つ大物作家。
そんなイメージが頭をよぎる。
僕のような新米編集など、
エクセル先生の前では吹けば飛ぶような紙屑にすぎない。

「先生、でも、僕、ほんと、これが出来ないと帰れないんですよ...」

エクセル先生は心のなかで舌なめずりをする。
何しろ新人いじめが大好きなのだ。
ただ表計算を繰り返し、
用途が違うのに議事録をかかされ、
フローチャートの台紙にされたり、
報告書のフォーマットにされたり。
エクセルにだって意地がある。
このまま、レイアウトしやすい文書作成ツールに甘んじるわけにはゆかぬのだ。

「君ねぇ、すまんがねえ、私は書きたいときしか書かぬのだよぉ~」
「でも先生、締め切りが...」
「わかるかねチミィ、私も好きで65520個のセルを
管理してるわけじゃないのだよぉ~」
「先生が動いてくれないと
僕の家族は食べて行けないです...」
「君の家族の事など知ったことか!!
ワードを使えばいいだろう!!」
「け、計算してくれなけりゃ僕の家族が...!!先生ぃぃ~」

なだめてもすかしても再インストールしても
態度を改めてくれなかったエクセル先生。
なぜか土日明けたらなおってました。

「せ、先生ー!!」
「えぇい、うるさい!!あんたなんかのためじゃないんだからね!!」

ツンデレエクセルに振り回されつつ
いや、ほんと、ガチで、
オフィスがばぐったら俺の仕事、詰みですわ。
ふーやれやれ。