消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

アメリカの新型奴隷制度

とかく欧州文明というのは奴隷制度が好きなものである…
あるいは欧米人、白人、と差別的に分類してみようか。
まさか21世紀の現代に奴隷制度がいっぱしのビジネス化しているとは
思いもよらなかった…。

現在、アメリカでは「刑務所産業複合体」というビジネス形態が
かなりの成果を上げているらしいのである。


それについて説明する前に、
批判的に「欧米」「白人」と書いてみたことを訂正してお詫びしよう。
実際のところは日本だって「現近代の奴隷制度」に
支えられて発展してきて、現在もブラック企業という呼称とともに
非人間的な人的資源運用で社会を回しているのであるから
アーリヤ人の特権意識だけを責めるのは甚だお門違い、
人間という生き物が、醜くも選民意識を持っているものなのである。


もともと、特権階級がその特権をいかして手に入れる最たるものは
「労働力」である。
ロボット科学、IT 技術がどれだけ発展しても、
まだまだ「人間」という労働力には遠く及ばない。

システム化だ、自動化だ、最適化だ、IT だと騒いでも、
それを支えるのは常に人間という原始的な労働力であり、
「自動化したのだから人手は減らせるはずだ」
というトップの絵空事に付き合わされてリストラが断行され、
残された現場は絶対不可能なチーム体制の中で
気合と根性と隷属的労働力の提供でもって
仕事を薄氷の上で回しているものなのである。


日本の歳入85兆円に対して、
歳出40兆円、約半分は人件費だと言われている。
人手が、一番カネがかかる。
トップマネジメント、あるいは特権階級が欲するのは、
安価で生産性の高い労働力である。
そう、例えば、奴隷のような。
そして、世のブラック企業と呼ばれる企業では、
人生と心身と精神とを削り取られながら
特権階級に搾取されるだけの人々により業務が運行されているのである。


アメリカは、そこへ行くとわりと合理的なのかもしれない。
個々人をこき使うことは人権擁護団体がうるさいし
その個々人自信が権利意識が非常に高いため口うるさく、使いにくい。
文句言わずに働きまくる労働力はないものか、
と目をつけたのが、
(これまでの場合は海外拠点の巨大工場であったかもしれないけれど)
刑務所に服役している囚人だったのである。

囚人たちは労働に対して文句言うこともできず、有休も半休もとることは許されず、
前日の飲み会がための二日酔いで遅刻して現れることもない。
大変安定して供給される労働力である。
そして、非常に安価であり、
アメリカの場合は平均時給25セント(約25円)という超低価格賃金という。
(※ アメリカが不当に安いわけではなく、囚人の給料は一般人に比べ安い、ということ)
これこそ「理想の労働力」と言えるわけである。


アメリカではこの「囚人労働力」は既にビッグビジネスとして成立しており、
刑務所運用へ民間参入が開始されて以降、
囚人労働力の提供が加速されているという。

言うまでもなくこの労働力を提供するには囚人が必要であるわけだが、
ある統計では、白人の40%、ヒスパニック系で50% の人間が
何かしらの犯罪を犯してお縄になっているというこの国であるから
犯罪者は増える一方で刑務所の増築、新築が続いているそうだ。


しかしさらに…アヤシイ動きもある。
まるで減ることのない麻薬犯罪に業を煮やした各州は、
「スリーアウト制度」とも言うべきシステムを導入しているという。
三度目の犯罪については、執行猶予が一切つかず、犯罪、即実刑、という
非常に厳しいルールだそうである。
一向に減る気配のない若者の犯罪に対して厳しく律することで抑止力とする狙い、
であるそうなのだが…
穿った見方も出来なくはない。
即ち、刑務所労働力が「刑務所産業複合体」として、
既に実業界、経済、生産ラインに、「なくてはならない労働力」となっていることから、
その労働力供給を絶やさないための施策…、
人を牢獄に繋ぎ続ける企み…、
そんな作為を感じられなくもないわけである。


と、いう内容は、ほとんど下記記事からの引用であるわけだが、
なんとも恐ろしい話である。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140106/257826/?ST=smart


日本では、刑務所は犯罪者の社会復帰を目的としていることから
このような囚人ビジネスを産み出す流れは今のところ無いわけであるが、
しかし日本でも犯罪が増加傾向に有り、刑務所が足りなくなっている実情がある。
http://news.livedoor.com/article/detail/3328072/

ここで、刑務所が足りないから民間委託という話が出てくるとしたら、
民間運営では当然何かしらの利益追求をすることになるのだから
アメリカのような「囚人労働力の切り売り」が行われることになるだろう。
そうなれば、アメリカと全く同じように、
「安定した囚人の数」を必要とすることになり…、
犯罪者に対して厳罰化して量刑を増やし…、
…空恐ろしい想像が頭に浮かぶ。

豪華な革椅子に座った老人がシャム猫を撫でながらいうのである。
「…もっと働かせんかい。犯罪者のようなクズどもには
働いて働いて、我々一般市民に売上として還元してくれなければ、のぅ…
人手が足りないんなら、ちょっとその辺のうだつの上がらない連中でもしょっぴいてこい」


資本主義が増やしてくれたはずの「中産階級」が、
今完全な二極化傾向にあり、
金持ちと貧困層、「持つものと持たざるもの」に分かれてきているそうだ。
(歴史的にはその状態の方が圧倒的に人類史上では多い)
一部の金持ちのために奴隷のようになる国民たち…
恐ろしい時代になる可能性が、今わりと濃厚である。