消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

何が悪いこと、か

何が悪いことであるか。
それは親にならうことが非常に大きいように思う。
親に教わり、親に倣う。

先日友人が、先輩に滅法キレられた、
という話をしてきた。
友人は先輩との話の折に、先輩を指差してしまったそうだ。
「あー、あれなんでしたっけ、先輩さんの使っていたあのツール…」
と言いながら。
そうしたら先輩、
「人の事を指差すなぁ!」
とかなり強く怒鳴りつけ、どこかへ行ってしまったそうである。


人を指差すのはマナー違反である。
調べたところ、人を指差すことはその人を見下す意味となり
失礼にあたるらしい。
意味合いまでは知らなかったものの、
私も母から「人を指差すのは悪いこと」として教わり、
避けるように躾けられた。
その意味や理由はわからなくても、
「行儀が悪い」
「マナーが悪い」
「人が嫌な気持ちになる」
と親から聞かされれば、
子はなんとなく刷り込まれ覚えるものである。

友人も同様、その躾けはされていた。
そして同様、理由はわからず、ただ何と無く良くないこととして覚えた。

たまたまの弾みで指差してしまったことは反省しており、
済まなかったとも思っているとした上で、

「しかしあそこまでキレるかね?」
と友人は首を捻った。
私も首を捻った。

親の躾けか…
なんかしらのトラウマか…
何かその人なりの怒りのポイントがあったのかも知れない。

その先輩に怒りの根はわからない。
むしろ私は、「人を指差してはいけない」という
コモンセンスの方が気になった。
それは確かに我が日本においては、
マナー違反であったり失礼にあたるというような、コモンセンスにあたる。
しかしそれは全世界共通のマナー違反だろうか?
そしてそのマナー違反は、相当に怒ったりしてもよいくらい、
「正当に悪いこと」だろうか?

日本国内の小さな範囲で、すでに私と友人に疑問視されている程度のコモンセンス。

さらに、こういったことは他に無いだろうか?
昔、中指を突き立てる仕草について、
外国人には絶対やってはいけない、と教えられた。
烈火の如く怒られ、ぶん殴られる、と。
恐らくそうであろう。
しかしそれについても、
中指を突き立てられた、恐らくは血気盛んなアメリカ人が、
こちらに殴りかかってくるとして、
それは正当なのだろうか?

そういうコモンセンスではないことって世の中に結構あるのではなかろうか。
そうなってくると正直、
何が正しい行動と言動で、
何がマナーで、
何が善行なのか、
結構わからなくなってくる、
そんな風に考えすぎてしまうのであった。