消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

俺が捨てたもの、俺を捨てたもの。

引越してから一週間。
俺が捨てた町、調布へ今夜、舞い戻る。

夜鳴きする女のように
町が俺のそでをつかむ。
行かないでよとせがむ。

出会いと別れが交錯した町。
本当に、いろんなことがあった。
もしかすると、全部があったかもしれない。
あの町には、俺の、全部が。

そこで出会った人々と
そこで別れた悲しい夜と
涙をこらえたいくつもの日々と
幸せだと心底感じた素敵な時間。

ずっとそのままだと思っていても
いつか壊れてしまうものがある。
かけがえのないものほど
どうしてこんなに脆く崩れ去ってしまうのか。

あの町を愛していた。
そしてあの町に来る人を愛していた。
今はもう、思い出の中に沈もうとしてる町。
思い出。
なんて忌々しい言葉だろう。
もう思い出にしてしまおうとしている。
ずっと暮らした町の事を。

今、
自分で思い出にしたものたちに、捨てられた気分でいっぱいだ。
被害者意識は心地よい。癒してくれる。
そしてきっと、忘れさせてくれる。
傷ついたつもりになれば、捨てられたつもりになれば。

・・・

・・・と、たった一週間でここまで思い募らせるのって
やっぱり本当にホームシック!?