消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

A からE の輪舞曲

健康診断、をご存知だろうか。
案外知っているものであるが、
国民皆保険の大事な、
主要な副産物の一つだ。
「副作用」と表現してもいいかもしれない。

以前、健康診断、国民皆保険について書いたことがある。
医者の叔父から聞いた話。
国民皆保険は国民から多くの金を取る。
しかしこれは税金ではない、国民に還元されるべき金だ。
だから、目に見える形で還元して見せる必要がある。
それが健康診断。

お金をいただいてますよ、
だけれども、我々はそのお金で皆さんの健康を気遣っていますよ、
ほら、不健康だったらすぐにわかるようにしてありますよ。
不健康だったら困りますよね、
いつもずっと健康でいられるなんて思ってませんよね、
ほら、メタボリックシンドロームもチェックしてあげますよ・・・


健康診断は何により成立するだろうか。
言うまでもない、「不健康になるかもしれない可能性」
もっと正確に言えば「不安」だ。
普通に暮らしていて普通に病気になる可能性なんか
限りなくゼロに近いとしても、
「不健康になるかもしれない」という不安感を煽ることで
健康診断の存在意義を被験者に植え付け
健康診断不要論の入り込む隙間を埋めている。

消費税の増税がこれだけ大きく問題視され
国家存亡の危機的施策のように毎日報道される中で
健康診断がやり玉に上がることはない。
皆、健康保険料を取られることに違和感を感じていないからであり、
取られることに納得しているからだ。
それだけの価値がある「税金」だと思っているからだ。

疑問を持たれたら、困る。
健康保険料と、その支払に対する副産物である健康診断、
これらにより「納得度」が得られている必要がある。

そのためには、ある程度「不安」でいてもらわなければ困る。
健康診断があった方がいい、と
思わせる必要がある。

そのためのメタボリック検診である、と医者の叔父は言う。
不安感を煽るための。健康診断を大事と思わせるための。
それにしたってむちゃくちゃな仕組みを考えたものである、
しかもあまりにも急に導入されたメタボリック検診。

あまりにも乱暴・・・老若男女、体型も骨格も無視しての
「腹囲XXセンチ以上」で危険域とは
医学がそこまでざっくばらんで根拠の薄い基準を提示していいものなのだろうか。


ま、
私は、ギリギリ、セーフでしたが。
ギリギリ、・・・ギリギリ!?

かつてスリムで痩せすぎとまで言われた私だったが
・・・なんということでしょう。
匠の手にかかってあれよあれよという間に・・・
体重は年次5キロで増加していき
腹囲はポコポコとメタボリック境界線に向けてグングン膨らんでいく始末。

そして、ついに。
まったくの、まさかの、ついに。

脂質:A → E
尿酸値:A → E

・・・なんと!? これは!?
え、ちょっと待って??
私の受診している会社の健康診断では、
各検査項目について「A1~E」のランクで診断結果を判定している。
再検査がC、要精密検査がD、
そして・・・「E:治療」

いやいやいや。
「治療」って。
検査もチェックも通り越して「治療」ってどういう飛躍ですか。
「医者に行け」じゃなくて「治療してこい」って、
病気ってこと!?
ねぇ、それって、病気認定ってこと!?


尿酸値は、ご存知痛風痛風へ向かう検査値である。
贅沢病と言われているこの病気、風が吹いても痛い、ということから
痛風」と呼ばれる、尿酸ろ過限界による発作である。

痛風になんてなったら大好きな酒が飲めなくなる。
てゆうか痛くて大変なことになる。

ということで、痛風キャリアの友人にメールしてみた。
「やばいよ、尿酸値、要治療だってよ!!」
「お、仲間入りか。数値いくつよ」
「えーと、8.6」
「あまいよ。俺は9,10、9.6 と来て発症よ」
「あ、じゃあまだバッファがありそうだな」
「発作が出ると悲惨だから、医者に行ったほうがいいぜ、
あ、でもな、8.6 くらいだと治療してもらえないかもしれないよ」
「マジか。んじゃもっと飲んで9まで上げておかないといかんな」
「そうそう、その意気!」
「ナイスアドバイス! 健康になるために飲むわ!」


尿酸値が高い場合の生活習慣に対する戒めを読んだので
自らに課す意味を含めて記載しておく。

1.美食もほどほどに
2.肥満を予防する
3.「プリン体」の多い食品に注意
4.だし汁は昆布から
5.お酒は尿酸値を上げる
6.水分を多めにとる
7.うっすらと汗ばむための運動を

・・・
色々納得だけど、「だし汁は昆布から」って、何のこだわり・・・
と思ったら、かつお節はプリン体が多いそうだ。

それにしても、最近は飲むことが仕事のようになりつつあるのに
いやそんなだからこんな結果になったのだろうけれど
身体がポンコツになってしまっては困りますなぁ。
何事につけても、身体が資本。
2012年に人類が滅びるにしても、
残された余生は健康に快活に生きたいものですな。

そしてどうか、
これらの数値が、
健康診断へ疑問を持たせないための、不安感助長のための異常値でありますように・・・
どうかどうか、そういう体で・・・