消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

屁との共存

風下を向いてても風上を向いてても
立っていても座っていても寝転んでいても
布団を利用して通り道を作ってやっても

「屁」は如何様にもルートを確保して鼻孔をくすぐる。
いたずらな春風のように。
ツンデレ気質な少女のように。
こちらの都合を一切気にせず、
その思うままの時、思うままの仕草で
なで声で絡みついてくる猫のように。

「屁」は1メートル弱の障害物レースを経て
自分の鼻へと到達する。
・・・もうほっといてくれ!
構わないでくれよ!
そんな声も虚しく立ち上る我が自分自身の芳香。

・・・なんでだろ?
身体の、人体のフォルムがそうできているのだろうか。
「屁」の空気抵抗が最も少ないダウンフォースを得られるフォルムなのだろうか。

人は、長い時代の中で自らの「屁」と戦い、疲れ、
やがて「自分の屁は平気」という
特殊アビリティを獲得するに至った。

それでも
中華料理ニンニク増し増しアブラギトギト、
な翌日であったり、
意外にミンチ肉を使ったハンバーグ、ウィンナーなんかを食した後は、
自らの目にさえ染みるほどの「個人テロリスト」となって

まるで昨夜の罪を責めるかのように、
責めすぎて裁判なし情状酌量の余地なしの即決死刑、みたいに
鼻を直撃する自屁。
・・・どうせ進化するなら「自分のは気にならない」じゃなく
臭いが薔薇の香り、とか
そういう風に進化して欲しかったな・・・