消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

恋と別れのお値段は

人は出会い、恋をして、
愛を育み、産み、そして死んでいく。
地球、という星にそれは数多あって、
いささか過剰供給気味であるとしても、
人は子を産み、育て、そして死んでいく。

の、前段階に、
「やっぱこいつじゃねーわー」
という、失恋がある。
失恋をしない人間は一人前じゃない(と思う)。
もちろん出来るならしたくないかもしれないけれど避けられない(と思う)。
後期になればなるほど別れは辛く、しんどく、面倒くなっていく(と思う)。
離婚、とかね。

離婚、に至る前、つまり結婚段階で離婚することは、
少なくともそれ以降で別れることより良いことである。
何事も、工程の前段階で差し戻したほうが被害は少ない。
手間も少ない。
「駄目だ」「やめよう」「取り消しだ」「仕切りなおしだ」
この判断は早ければ早いほどよい。
後になればなるほど、甚大な手戻り工数が発生する。

ところが日本人は、この判断が多いに苦手。相当苦手。
基本的に日本人は「決断」が苦手なのだが、
数ある決断の中でも「誤りを認める」ことが大いに苦手。不得手。
できない、と言ってもいいかもしれない。

菅直人元首相が、最近自身のブログにて、
東北大震災の折の福島原発の大事故発生時指示において、
「自分は本当はあの時こういった、ああいった、こうしてたんだ」
と今更取り繕おうとしていたが、みっともないほど「認めて」いない。
民主党政府が日本国を良い方向へ導くことが出来なかったことを
認めている民主党員もいないだろう。

人生には失敗はつきもので(政治をそんな感覚でやられては困るから、
前出の例は、引用例をミスってしまったが)
失敗を認める、修繕する、何かしらの決断、判断を持って仕切りなおす、
そういうことが苦手なのは政治家にかぎらず全般的らしい。


というわけで、「別れさせ屋」がでてくる。
なんでも商売になるんだなぁ、と感心してしまうが、
男女を(多分「男女を」だと思うけれど)
別れさせる職業なのだろう。



夫婦げんかは犬も食わぬ、男女の仲は二人の問題、
私ぁ、離婚経験者として言わせてもらうが
(離婚経験のせいで言葉に重みがついたりつかなかったり)
互いの尊敬と愛情があって、男女ははじめて成立する。
最終的には努力である。愛する努力であり、
「愛する」に抵抗や、観念的ニュアンスがありすぎるならこういってもいい、
「継続させようとする努力」
ダイエットだって仕事だって、嫌でやめたらそれまでなんだよ。
継続は力なり。それを「愛だ恋だ気持ちだ」と
美化してチョコレートみたく甘くコーティングするのは
少女マンガ世代とトレンディドラマ世代の悪い癖だ。

愛は継続である。愛は努力である。
愛は勃起じゃない。勃起なんかこすれば起こる現象だ。
濡れるのだってレイプ中も濡れるのである。
関係性を維持し続けようとする努力、
それはお互いを気遣い、時にぶつかり合いながら接点を探し、
100点満点ではないけれども及第点に収めようとする不断の努力。
それが愛であり、生活である。

生きていくということは我慢の連続である。
結局のところ、どれを我慢してどれを我慢しないか、の違いでしかない。
夫といることの我慢をやめれば、別の我慢が生じるだけである。
だから絶対離婚するな、なんてことは言わないが、
放置してたら美味しくなる梅酒とは異なるってことを、
いつも常に心に留めておいてほしいものである。
梅酒だって放置しているようで、手順ややり方があるんでしょ?


さて、恋愛論になると思わず熱くなってしまう私であるが、
そういう、愛する努力ができなくなってしまったのなら、
それはもうしょうがない、別れてもらうしかない。
人生は長いようで短い。ステージは日々更新されている。
旧態依然、日進月歩、
進み続けることに人間の宿命がある。
「停滞」は緩慢な死、後退とイコールである。
なぜなら周りは常に進んでいるから。「止まっている」状態は、
全体から見れば後ろに置き去りになっていってるのである。

だから次のステージに向かおう。
というわけで別れさせ屋に依頼しよう。・・・って、ええ!?
そこは自力でやろうよ・・・そこはずるいだろう、他者の介在って。

いや、実際「別れ」というのは大変難しいものである。
両者が男女が互いが均等に「そろそろ次のにいきたいな」
「ていうかこいつ釣った魚扱いしているからもう嫌だな」
※ 釣った魚扱いは男女問わずありますからね。女性の方、胸に手を当てて!

そんな風に、片方が冷めてしまうのが実際だろう。
私の時も、ね・・・(遠い目)

(新しく好きな人ができちゃった・・・でも別れるとき責められるのは辛いし、
尻軽女、ビッチのそしりを受けるのはイヤね・・・共通の友人も多いし、
あたしの評判が悪くなるのは避けたいところだわ・・・お互いの合意でもって
穏便に別れられないかしら・・・いえいっそ、あたしが悲劇のヒロインに・・・
そのほうが慰謝料もらえる可能性も出てくるものね!)

まぁ発想としては正しいですよ。発想としては。
楽天のスーパーポイント貯めるぐらいにまっとうな発想ですよ。発想としては。
どうせ買うならポイントがたくさんついた方がいいわよね、送料も無料にしたいわ。
至極まっとうです。

ただ、まっとうでないのは、そこが人間関係ってことですよね。
どうも買い物一つにしても店員とのやり取りが失われたデジタル社会、
大量消費大量運用の時代においては、
人間関係とAmazonのワンクリックの「差」を
本質的に理解している人間が少なくなってきているように思うのです。
昔「ゲーム脳」なんて言葉があって、またアホなこと言ってるなーと思ったし、
今推し進められている「児童ポルノ法」にしても、見せなきゃ刺激しない、みたいな
短絡発想だなー、と思ってるけれど、
実際人間て言うのは愚かという他ないほど、慣れていく生き物なのです。
低俗へ流れるものなのです。かならず、悪い方へ、ダメな方へ、楽な方へ。

中東紛争地域に行けば、人を殺すこととパンを盗むことが
「同等の価値行為」である世界は、21世紀の現代においても実際にあるのです。
だから大量消費、ワンクリック、恋愛もケータイメールから始まるこの国では、
人間関係も非常にライトに、非常にコンビニエントに捉えられているのです。

そんな阿呆な、と言う人はこのスレでも見てください。
http://2chcopipe.com/lite/archives/51887787.html
概略
「不倫相手と結婚したいから夫のDV でっち上げちゃったー!」
「んもー悪い子だなー! でも幸せになれよー!」(友)


それで、ですね、
別れさせ屋」っていう存在をちょっと考えていただきたのですが、
例えばですね、男女の未婚のカップルにおいてですね、
彼氏なり彼女なりの片方が恋、冷めまして、熱病から覚めまして、
もう一緒にいたくないから、ということになったので別れさせ屋に依頼して、
相方の方を呼び出して、喫茶店かどっかで、別れさせ屋が淡々と説得する、
とかなら、まぁ「おいおい自分で言えよー。まぁしょうがないねー」
で済む話なんですけどね。

そう言えば「自分で言えよー」の傑作は、
吉田拓郎の「外は白い雪の夜」ですかね。
はじめて出会った喫茶店で終わらせる、芝居がかった二人。
昭和歌謡
懐古主義と言われればそれまでだけれど、
人としての良し悪しって、そんなに10年20年単位では変わらないですよね?
(え!? 30年前!? これ!?)
http://www.youtube.com/watch?v=81GLHfRI1Mo

歌詞引用:
吉田拓郎外は白い雪の夜

大事な話が君にあるんだ。本など読まずに今聞いてくれ。
僕達何年付き合ったろうか。最初に出会った場所もここだね。
勘の鋭い君だから、何を話すかわかっているね。
傷つけあって生きるより、慰めあって別れよう。

だからBye-Bye-Love 外は白い雪の夜
Bye-Bye-Love 外は白い雪の夜

あなたが電話でこの店の名を教えた時からわかっていたの。
今夜で別れと知りながら、シャワーを浴びたの。哀しいでしょ?
サヨナラの文字を作るのにタバコを何本並べればいい、
せめて最期の一本をあなたが数まで居させてね。

だからBye-Bye-Love 外は白い雪の夜
Bye-Bye-Love 外は白い雪の夜

まぁいささか男性目線、封建的かもしれませんけどね。
こんな時代もあったねと。


さて、さきの引用の「旦那のDV をでっち上げて慰謝料と親権を奪おうとする嫁」
の例はかなり凄惨なものがありましたが、
これを「プロ」である「別れさせ屋」が画策したら、どうなるでしょうか?
簡単なのは、女性を雇って、旦那に近づけさせ、うまいこと乗せて、
肉体関係、恋愛関係、不倫関係に持ち込ませ、
証拠を叩きつけて離婚、ですね。
離婚届が受理された直後から、雇われ女性と連絡がつかなくなるんだろうなぁ。
なんと哀しい、薄ら寒い・・・恐ろしい。

離婚するための証拠だったら、ラブホテルに入って出てくる「とこ」だけを
証拠写真として撮影出来ればいいんですよ。
念の為に2回分あれば完璧。
行為自体は確認されない、問題視されない、
というより
「ラブホテルに入っただけだって! 休んでただけだって! 何もしてない!!」
「・・・(失笑)、いや大人の男女で、ホテルに入ってその言い訳はないんじゃないですか?」
ですよねー。
「いやいや、彼女気分が悪くなったって言うから、どうしてもそこで横になりたいっていうから!」
「じゃあ邪な気持ちはなかったのですね?」
「いや・・・それは・・・む、無論なかったさ!!」
「胸もまれました」
「き、君!?」

この男性役の方は、脂ののった時期の三浦友和にやっていただきたい。


男性例で書きましたけど、女性だって簡単じゃないですか?
事実は不要、情況証拠があればいいんです。
ね。「別れさせ屋」って、怖くないですか?
さらに、きっとこの別れさせ屋は裏の顔も持っていて、
依頼してきた元妻をあとからゆするんでしょうね。
「夫にバレたら親権剥奪、奪った家も取り返されるぜ?」
とか言われて、熟女マニア向けAV へ流れていく流れですよ。鉄板ですね。
痴漢モノかもしれない。嫌がっているのがリアルに映るから。
なんと恐ろしい・・・


しかし、恐ろしいの最たる例はこちらでしょうね。
・別れる、に「殺す」という選択肢を取る女
http://estorypost.com/news/wife-hires-hitman-for-husband-murder/

さすが命の値段が安いアメリカ(イメージ)

:
概略:
「夫を殺して欲しいの」
「構わないけれど、何故?」
「離婚って面倒じゃない? 泥棒の犯行に見せかけてくれるのがベストだけれど、
家の中で殺すのはなるべく避けて欲しいの」
「そりゃまたなんで?」
「だって家が汚れるじゃない(笑)」



・・・いやー、恐ろしい・・・
「家が汚れるじゃない」といって、笑顔を見せるアメリカ人妻の、
屈託なくほがらかな失笑、どうですか?

人はここまでコンビニエントになれるんだな、って。
使えるならTポイントカードで