消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと再婚物語~その5~

「Way To Winding Road

こんだけ長文を書きながら、
まだ離婚から3ヶ月目ぐらいを書いていることに違和感。
先日(2014年7月19日)、結婚式を盛大にやらせていただきまして、
ご列席の皆様本当にありがとうございました。
これからもどうかどうかよろしくお願い致します。

ということを書きたかった。
この結婚式に至る道程を書いてゼクシィの「先輩の結婚式!」特集に乗りたかったのに
まだ一回目の引っ越しまでしか書けてない再婚物語。
おかしい。遅い。まぁいっか。

2010年6月離婚
2010年10月、練馬区氷川台へ引っ越し
2012年2月、江戸川橋へまた戻る
2014年3月、結婚発表
2014年4月、入籍
2014年7月、結婚式

…今まだ第二章じゃん…


「遅いわ。ダルいわ。あきるわ」
ネコがあくびする。
「ネコはね、でもね、退屈でもいいの。それがネコスタイル」
夏場のネコは大変気怠そう。
けれどもそれがネコスタイルとのことである。
ネコにとって日々は退屈なものなのである。
ここに今更、私のブログという「退屈」が追加されたところでさほどの変化にもならない。



気怠く伸びネコしているネコも、氷川台引っ越し当初は大変であった。
離婚の被害者は、(元)夫婦の二人だけではない。
家族にも及ぶ。むしろ家族にこそ及ぶ。
ネコにとっても例外ではない。

ネコは、離婚のストレスと引っ越しのストレスで下痢になった。と思われる。
単に変なものを食べたせいかもしれないし、
密閉型マンションから木造アパートへ越したから寒くて、なのかもしれない。
本当の理由はわからねど、ネコは長く、ひどい下痢になった。
そこで動物病院に連れて行くわけだが、
引っ越したわけなので引っ越した町の動物病院に行くことになった。
これもストレスの一環だったかもしれない。

離婚とは、不幸の連鎖波状攻撃、
まさに被害のジェットストリームアタックなのである。
皆さん、くれぐれも離婚しないように。



引越し先は前回書いたとおり、彼女の居住地とひと駅しか変わらない駅だった。
であるので足繁く通うように…したいのだが…
盲点だったのは、坂が結構きついこと。
自転車で30分。
坂を漕いで向かうのだが、
30分って、遠くない?
10月引っ越し。時期は冬。
日を追うごとに寒くなり、夕日の色は赤くなる。
秋口の、物悲しい逢魔時。
車のテールランプが道路に沈んでいくような濃い夜の気配が、
なぜか心にしんしんと響く。

そんなセンチメンタルな気分になるので、そんなにしょっちゅう押しかけることは出来なかった。
しかしここで手を抜くと危ない。
相手はすきあらば私との関係を「無かったこと」にしようとしてくるので
できるだけ既成事実を作るために、
彼女の家に通い、写真を残す。
訴えられた時に「合意の上で」と主張するためである。

この「再婚物語」の当初にくどいほど書いたとおり、
私たちの恋はオフィスラブであり、
オフィスラブは秘するべきものである。
セキュリティ意識の高い我々の秘密っぷりは徹底していたため、
ついに最後の最後、発表まで社内で噂にすらなっていなかった(それはそれでどうかと思うが)。

と、いうことは、である。
誰も知らない秘密の関係。
それは、誰も証言、証明してくれない、ということでもある。
「この人ストーカーなんです。何度も断っても押しかけて…」
彼女がそう発言したら、国家権力は消して私の主張を聞き入れてくれないだろう。
証拠が。
証拠がいる。
私が妻の不貞から離婚に及ぶにあたって、最も重要であるとわかったもの。
それは証拠であるのだから。

ちなみに、証拠は第三者が用意したほうが強い。
私は会社外の友人、知人に吹聴して回ったりしていた。



そんな形で証拠を集めながら2010年の冬は深く、年は暮れようとしている中、
2010年12月。
モンスターハンターポータブル3rd が発売される。
前作からの根強いファンと人気が熟成された中で発売されたこの「3rd」は空前のヒットとなり、
各店で売り切れ続出、レア度も相まって大きなムーブメントを生み出した。
(そういえばタクティクスオウガの発売一ヶ月後だったな)

このムーブメントに乗じて勢力を伸ばしたのが「モンハン部」である。
モンハン部は当初、私を含む一部のハンターによる地下活動であった。
会社内にひっそりと立ち上がったモンハン部は
酒を飲み、仕事の愚痴を言い合いながらティガレックスを狩ることを良しとする、
社内有志により結成されていた。
ここに、「モンスターハンターポータブル3rd」発売にのっかり、
彼女も参戦することを表明したのである!

流行に敏感なIT 戦士たちが次々とモンスターハントへの参加を表明し、
部員を一気に集めたモンハン部は社内の有数勢力へと拡大、
私も彼女の参戦を心から歓び祝福したのであった。


しかし、ことがすべて順風満帆に進んだわけではない。
私と彼女の仲は3rd が発売しようとも極秘事項である。
例えば、週末彼女の家に上がり込んだ私が、偉そうにモンハンかくあるべしと持論を展開しながら
セクハラまがいの指導を彼女にしていたとしよう。

これは確かに、モンハン部部長に就任した私の役得ではあったわけだが、
(部長ではあるものの、モンハンの腕は末席に位置する。私の立ち位置はアイルーとほぼ同等であった)
実はモンスターハンターには仕様上の欠陥とも言うべき恐るべき罠がはられていたのである。

(つづく)