消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

田中芳樹「アルスラーン戦記」Audible

著名な作品、大作である。
後から調べて知ったのだけれど、
まだ完結してない、とか。
そしてさらに、「完結原稿は上梓されてる」らしいとのこと。
今年か来年か…に発売、完結。
1986年の第1巻来、
30年近くを経た物語が終わるただ中に、私たち人類居たらしい。

そうとは知らずに手を取った本作。

きっかけは、荒川弘
鋼の錬金術師は嫁の好きな作品であったが、
その作者の荒川弘氏がアルスラーン戦記をコミカライズしており、
7冊ほど発刊されて居たので購入した。
「キングダムよりテンポがいい軍記物」
と捉えて居た所へ、
嫁が原作を読みだした。
では私も、と考えた際にふと、Audibleを検索した所、
全く期待して居なかったが、
アルスラーン戦記、ある!!

しかも、銀河英雄伝説も、ある!!
(アルスラーン戦記、作者田中芳樹氏の代表作)

これ幸い、とダウンロードして聴き始めた。
コミックで読んでいるので専門用語も苦もなく聴き取れ、
あれよと3冊聞き及んだ。
3冊目の後半くらいまでが、コミカライズ7巻と言った所。
丁度、すでに読んだ物語を小説で追体験したわけだ。

ここから4巻目、5巻目と進めるのだけれど、
ここで気がついた。
Audible、7巻までしか朗読されてない…!
全16巻がまもなく完結を迎えようとしている折。
果たして、朗読の本作はいつ、完結を見るだろうか…

それにしても、朗読されているのは、声優さんなのだろうか?
朗読のプロなのだろうか?
下山吉光氏。
ぐぐってみたら、私と同じ1976年生まれの声優、ナレーターとのことだが、
本当に…
たまげる迫力で読み上げてくれる、ものすごい人である。
そして、軍記物、群雄割拠のこの物語を、まさかあろうことか、各人の声音を変えてくれているのである。

正直、3冊を拝読した今でも、
一人の人間が朗読したものとは思えない、ほどだ。
登場人物に合わせて数名の声優がスタジオで録音している…
そうと感じるほどの声音の違いである。

オーディオブックで、求められることは、
(少なくとも自分が求めることは)
特に感情を込めずに淡々と読んでくれることである。
だがしかし、
このアルスラーン戦記を読む下山吉光氏の声の演技は、
異世界の軍事物語に色彩と息遣いを与え、
本当に迫力のある、
映画やドラマや、そういうレベルの場面描写を声だけでしてくれている。
凄い、と言うほかない。

ぜひ、最終巻までの朗読を期待したい。

ただ…
声音を変えすぎる弊害か、
女性、ファランギースの声がいささか小さすぎるのが、玉に瑕。
それもまた、そういう女性でもありそうなので、
実に良いのだが。