消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

「逆転裁判3」CAPCOM

三部作、といわれる作品の最終章をついにクリアした。
長かった。
まず、作品満足度、お薦め度を星であらわしてみるとー

★★★☆☆


うん、まぁ三つ程度かな……。
この「3」が最高傑作といわれているけれども
私個人は「2」の方が面白かった。
シナリオの出来のよさ、音楽・演出の良さにおいて
「2」の方に軍配があがると思うのだが……。

まぁ世論などはおいておこう。
どちらにしても、「1」から通してプレイしなくては
魅力もへったくれもないゲームなので「2」が「3」がと騒ぐものでも
ないかもしれない。


ゲームの説明はもう飽きたので簡単に。
主人公は無実の罪を着せられている依頼人の事件を
「探偵パート」にて証拠を集め全貌を把握し
「法廷パート」で真実を徐々に浮き彫りにしていく、
といういつもの通りの法廷ゲーム。


ゲームシステムは「2」と全く変更がない。
多分グラフィックも全く変更がない。
「2」にて登場したサイコ・ロックが定着しているが
これはつまらない「探偵パート」にメリハリを加えてくれているので
大変よいシステムだとは思う。
ちょっと「2」より簡単で、面白みに欠けた気はするが。

サイコ・ロック以外は「1」と全く変化のないインターフェースで
これは完成されたものなのだからプレイしやすい。
「1」から不満の「場所の移動の面倒さ」も変わらず。


さて内容であるけれども
逆転裁判」はシナリオに尽きる、と思っていた。
けれども今回痛切に「シナリオと演出が逆転裁判」ということを思い知らされた。

音楽がわけのわからないほど「残念」なことになっているのだ。
このゲームにはいくつかのBGM がある。
各キャラクターや場面にあわせた、なんというか一般的なBGM(これをA とする)
物語の核心に触れたりドラマチックに盛り上げてくれるBGM(これはB)
それから、効果音程度のBGM。章が変わるときの音なんだけれど、これはC。

と分類したときに
なぜだろう、なぜなんだろう、
「BとC」を毎回変えてくるのである。


実際にプレイしてみないとなかなか伝えにくいのだけれど、
「A」の音楽。これは物語の主要な部分を占めるBGM なので、
はっきり言って聞き飽きている。のに3作とも一緒のBGM とかもあってかなり辟易。

一方、演出の「要」となる「B」のBGM。
これが毎作変更されているのだけれど……
なぜかだんだんしょぼくなってる!!
演出が非常に重要なこのゲーム。
異議あり!」と重要な証拠をたたきつけた瞬間の「ドラマが動く音」

それのMIDI 音源がしょぼくなってるんだよぉぉ……。
「1」が一番よくて、「2」であれ? って思って、
「3」に至っては音源がなかったの?? ってくらいに細い音楽で……。
なんで変えちゃうのかなぁ、ここ。
むしろ全作同じ音でいい気がするのだけれど……。


そして「C」
これも毎作変更されているのだが……
いらないから。
むしろ余計だから。
その予算が無駄だから。

「C」の音こそ毎作一緒だったら
気持ちが続いていい感じだったと思うぞ?
たとえるならマリオがコインをとる音、
リンクが仕掛けをとく音、
ドラクエでレベルアップする音だよ。そこは変えなくていいから。


演出はシナリオとあいまって相変わらず素晴らしいのだが
BGM でこれほどがっかりするとは思わなかった。
気にしなければそれでもいいのだけれど、何回も「逆転」するゲームだけに
残念でした。



そしてもうひとつの柱、「シナリオ」


今回の「3」はこれまでと異なり五話構成(これまでは四話)
ただし、チュートリアル以外に第四話に短いシナリオが入る形。
第一話と第四話がかなり大きな伏線となって第五話にて帰結する、という
これまでのシナリオの中でも特に力の入ったものになっている。


ではそれが「良い」かというと……。
個々のシナリオはいつもの通り、よい出来である。
そして「1」から始まったすべてが「3」の第五話で完結するとき……
「なんでやねん」って気持ちでいっぱいになる。
なんでそんな風に壮大に終わらせなきゃならないのだ、と。


そもそも、「逆転裁判」はそのタイトルが示すほど
ロジカルなシナリオ構成ではない。
「1」からヒロイン役として登場し続ける少女が「霊媒師」である。
もうそれだけでぜんぜんロジカルじゃない。だって「霊」だぜ?
霊が出てきたらシャーロック・ホームズでもかなわないよ。


自分は「1」の初っ端、霊媒師が出てきて結構引いた。
でも霊媒はキャラ付けだけでだんだん薄らいでいくだろう
と期待していたんだが……
「3」においてその霊媒師一族の壮大なドラマが完結する。
だからもう、「霊媒」がいっぱい。もう勘弁してください。


霊媒、といってもホラーではない。
このゲームのカテゴリは間違いなく「ギャグ」
噴出すほど笑える。
だがしかし霊媒はなぁ……。霊媒で事件解決したり霊媒で事件が起こったり……。


くどいようだけれど、各話のシナリオは相変わらずかなり秀逸である。
霊媒が前面に出てくる「第五話」以外はほんとに面白いし
第五話もつまらなくはない。
「こういうものなんだ」と心をなだめながらプレイすれば、まぁ大団円。


新キャラも実にいい感じ。毎回新たなライバル検事が現れるけれど
今回の「ゴドー検事」はかなりいかす。
かっこいいかどうかはおいておいて笑えるし泣かせるし。
「2」の狩魔冥 とは役者が違う。
御剣検事の活躍が(検事として)少なかったのが残念だけれども。


その他のキャラも愉快である。
「怪人」が登場する回があるのだけれど、初めて殺人事件以外を扱えたのはうれしかった。
毎回死者がでるのは辛いから……。

「1」「2」から登場するキャラも多いので
とにかくも「1」からプレイすること必須である。


逆転裁判」は、飽きっぽい私がなんとも「3」までプレイした。
非常にひきつけられる魅力を持っている。
すべての台詞が「二行で伝わる」という、
文章のこだわりがものすごい。
単純に事件や謎が良く出来ているだけではなく、文章の質が驚くほど高いのだ。
(多分元々GBA ということもあり、画面内に収まる文章に相当気を遣ったのだろう)
そして「異議あり!」とたたきつける爽快感。


弁護士、成歩堂龍一 の物語は
どうやらこの「3」でいったん幕となる模様である。
続く「4」は主人公も変わり、GBA からニンテンドウDS へ移り
かなり新しい展開をする模様である。
ゲームとしての評価はあまり高くないようだけれど、とても楽しみである。


でももう「霊媒」はやめてね、CAPCOM さん。