消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その11

番外編「プロジェクトマネジメント 

もう次の章にいってしまうつもりだったけれど
ちょっとカッコいいことを書いてみたくなったので
「探偵章」の総括を書いてみます。


探偵と言っても、当たり前だけれども万能ではありません。
探偵はひとつの道具に過ぎず、
それは証拠というキーアイテムを手に入れるための
様々な手段のひとつに過ぎないのです。


道具を使うのは、言わずもがな、私でした。
実際にやってみてつくづく感じたとこは
「離婚てプロジェクトやな~」
でした。
ですのでプロジェクトマネジメントの知識が非常に活きます。
離婚を考えているあなた。
ぜひPMP(プロジェクトマネジメントの資格)を目指してみてください。
実生活でとことん活かせる知識です。


離婚はプロジェクトだけれど
恋愛は超攻撃型サッカーだなー
なんて思ってるんですがこのネタは別に使えそうなので別の機会に。


離婚という大型プロジェクトの中でも、
際立ってプロジェクトらしいのが「探偵を使う」でした。
まずプロジェクトとは何かと言うと

・期限が存在する(有限性)
・これまで体験したことがない(独自性)
(※PMBOK、プロジェクトマネジメントの知識より)


不倫ていうのは発覚、認識から三年以内が起訴可能期間なので有限ですが
探偵雇うってことはせいぜい一ヶ月の有限性をもってます。
探偵とは期間、張り込み回数などでもって契約するので
当たり前に有限性が発生します。
それはコスト的な有限性ともイコールといえます。

そして独自性ですが、
離婚は何度も経験しているとしても
その時々で相手も違えば状況も違う。
常に初めての土俵に向かっていかなければならないので
「こうすれば勝てる」という必勝パターンは作れません。
これが独自性。

初めてのことに期限つきで対処しなくてはならない物事に関して
プロジェクトマネジメントという手法が生きてくるのです。


んじゃ次。
プロジェクトマネジメントって何をするのでしょう。
プロジェクトマネジメントのすべては
リスク管理とコミュニケーション」
と経験則的には思っているのですが
PMBOK では下記の9つの知識エリアが設定されています。

・総合マネジメント
・スコープマネジメント
タイムマネジメント
・コストマネジメント
・品質マネジメント
・人的資源マネジメント
・コミュニケーションマネジメント
・リスクマネジメント
・調達マネジメント

これらをマネジメント(=管理)することがプロジェクトマネジメントであり、
PM(プロジェクトマネージャー)、PL(プロジェクトリーダ)の役割となるのです。
私は当初この連載で「離婚は戦いである」と書きました。
戦いとは押しなべてプロジェクトです。
互いに血を流す覚悟を含めて「戦い」と表現したのですが
「離婚はプロジェクトである」と意味合いはイコールといえるでしょう。

そして、離婚当事者である私も、あなたも(あなたも?)
このプロジェクトのリーダなのです。
プロジェクトを成功へ導くのはリーダ以外あり得ない。
「探偵に任せたから安心」
「弁護士に任せたから大丈夫」
ではなく、それらのリソース(人的資源)をうまく管理して
プロジェクトを成功に導きましょう。

私は現在PMP の資格取得を目指しているのですが
期せずして実地訓練をしていたわけですね。……うれしくねーなー。



さて離婚全体のマネジメントについては私の連載前編で
体験談として語っていってるわけですが
こと探偵に関してはどうみましょう。

・総合マネジメント
・スコープマネジメント
→ 探偵に手に入れてもらう証拠を明確にし、役割を確定する。
→ 具体的には、不貞事実証拠、不倫相手の情報。
タイムマネジメント
→ 妻に気づかれる前に証拠を集める
→ 妻が相手と別れる前に証拠を集める
→ さらに細かいタスクとしては、不倫の日時を把握して
  的確に探偵へ指示を出すことも含まれる
・コストマネジメント
→ 資金は有限。幾らまで使うのかをしっかり把握
→ 探偵へ割引交渉も忘れずに
→ こちらの弱みに浸け込まれて多く払いすぎないよう管理
・品質マネジメント
→ 安かろう、悪かろうでは意味なし。できれば調査資料の例を見せてもらいたい
→ どういう証拠が必要なのか明示し指示する。
  ちゃんと顔が写ってる写真とか、動画が欲しいとか、相手の住所まで、とか。
・人的資源マネジメント
→ これは基本的に探偵会社の管理領分であるものの、例えば出入口が多い建物を張るとき
  ちゃんと人数を用意できる日程を押さえる、など。
→ 現場の下調べをさせて効果的な人材配置や調査方法を探偵会社に提案させるのも
  このマネジメントの一部と言える。
・コミュニケーションマネジメント
→ コミュニケーションはすべてにおいて最も重要。
  「こう言ったつもりだった」「こう話したつもりだった」でミスったらおしまい。
→ 調査対象に「ばれない」というのもコミュニケーション管理かもしれない
・リスクマネジメント
→ 不貞証拠が取れるかわからない状況でどう判断するか。
  「回避」や「受容」というリスク対応があるが、
  コストがあるなら当たるまで投入もひとつの判断だし(受容)
  コストを考えて確実な日のみを選ぶ(回避)というのもリスク管理
→ さらに、一社だけだと不安要素があるので、二社併用するというのもリスク管理
・調達マネジメント
→ これはまさに、探偵会社選定、契約の管理。まずこっから始まるかな。
→ 探偵費用として使うコストを定め、適合する業者を選定する。
→ 調査失敗の部分も契約で取り決めておかなくてはならないだろうな。
  尾行が気がつかれた、なんて事態は最悪だから、これに関する取り決めもすべきだった。
  そんなとこまで頭が回らなかった、今思うと。
      成果報酬があるなら、失敗罰金だってあってもいいのかも…そんなメニュー無いけど。


こうして思い出しながら該当知識を当てはめていくと
いかにも今回自分が行った「探偵調査プロジェクト」は穴だらけで
薄氷踏むが如しであったかが再確認できる。

一方で、完璧なマネジメントが必要かどうかも判断すべきところで
すべての管理を完璧にこなそうと思ったら、PM である私の体力、労力を消耗する。
どこを手を抜き、どこを抑えるか。
それこそが「統合マネジメント」に該当することになるとおもう。


こうして当てはめると、実にプロジェクトではないですか、皆さん。
ですから、成功へのメソッドもプロジェクトマネジメントがサンプルとなるのです。
離婚に際して、PMBOK を学ぶ、というのもいいかも知れませんね。

(つづく)