消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その9

5章「探偵ぁ

合格発表がもたらされたのはその日の午前2時か3時頃だったと記憶してます。
尾行していた探偵会社から一報がもたらされました。
相手宅への「二人での」帰宅を確認、カメラに収めた。
その後の指示を確認する、というものでした。

私は無言でガッツポーズしました。
頭の中で花火があがりました。
これは不貞証拠を獲得した、以上に、もうひとつの大きな成果を意味してました。

相手宅の割り出し。

ここさえ押さえてしまえば、後は妻がどんなルートをたどろうと
この地点でずっと張り込みしておけば不貞証拠を入手出来るのです。
東京の人ごみの中で見失うリスクを考えると、なんと大きな一歩でしょう。


この大きな成果を出してくれた探偵会社へのリンクを、
感謝と実績を踏まえて記載しておきます。
原一探偵事務所
http://www.haraichi.co.jp/

アフィリエイトリンクとかしたいぐらいだ。



成果から書きましたが、時系列に振り返ってみます。
調査を依頼していた前日、私は友人のライブを見に下北沢へ行きました。
妻は遅れてくるとのことでしたが、なかなか来ずに非常にやきもきしました。

実はこのライブへ一緒に行くことは二つの意味を持っていました。
ひとつは前述の通り、「愛人宅への宿泊日を特定する」です。
ライブの日ではなく翌日の金曜日に確実に合うように根回しした点です。

もうひとつは、実はこれも不倫裁判における重要な証拠なのですが
「夫婦関係が破綻していなかった」という証拠となる第三者証言を得るためでした。


不倫における慰謝料や問題視されるポイントに、
「その不倫によって夫婦関係が影響を受けたか」があります。
例えば夫婦関係が完全に冷め切って別居しているような関係であった場合、
夫婦以外との性交渉を不貞とみなさない判例が非常に多いのです。
それはもはや夫婦とみなされず、よって不倫が成立しない、という論法です。

私が口頭でいくら夫婦関係は円満であったと証言しても
相手方に反論されたら水掛け論になってしまいます。
客観的かつ第三者の証言が得られる状況証拠を残しておくことは
その後の動き(裁判離婚、慰謝料請求)にとって大きなプラスとなりうるのです。

事実、妻は「以前から離婚を考えており、両親にも相談していた」
という戦闘コマンドを選ぼうとした局面があったのです。
「不倫というが、夫婦関係は以前から破綻していた、両親に相談していたのだ」
という「不倫慰謝料回避」作戦を仕掛けてくるのですが、
それを潰すことができたわけです。
ほらね。一進一退の攻防。手を抜いたらやられるんですよ。


ようやくライブ後半になって妻がやってきて、
自然かつ見せつける形で、夫婦仲を友人らにアピールしておきました。
「僕ら仲良し夫婦は、この通りこの日も、仲良くこの場に来ていただろ?」って。
…こんな風に利用する形で会ってゴメンよ、みんな。
ライブ、スゴク良かったよ。いろんな意味で忘れられない歌になったぜ。


その日は打ち上げなんかにも参加して酒も飲み
楽しい夜を過ごしました。
そして翌日金曜日、決戦の火蓋が切られるのです。ドリカムばりに。
そして、すべての戦いに良く言われることです。
戦いは始まる前に決着がついている、と。

いやうまく言ったからこそ言えることなんですがね。


金曜日、妻を「見張る」ために、
クソ忙しい仕事の大半のタスクを残したまま
私は午後半休して家に帰りました。
何しろ午後半休(13時退社)なのに15時近くまで仕事してましたから。

家で何も知らずのびている妻を観察しながら
何をするでもなく時間が過ぎるのを待ちました。
万全を期して17時から自宅の前で探偵に張り込むように依頼してました。
(ちょっと早すぎた。後での後悔へ続く)

20時頃、ようやく妻は予告通り会社のなんかの打ち上げだと言って出かけていきました。
マンションのベランダから眺めていると、
妻が玄関から出てきたのがはっきりと見て取れました。
そして…
いつからか止めてあったのか(多分17時から)、
道路脇のワゴン車から、一人の男性が下り、
妻の進む同じ道を、後ろから歩いて行くのが見えました。
妻と男性が見えなくなったところで、ワゴン車は静かに動き始めました。


このように探偵は二人一組で行動するのが基本のようです。
以前書いたように出入口が多いところからのスタートの場合だと
ファーストコンタクトを逃さないために10人近くを一気に投入することもあるらしい。

私は好調な出足に安堵しつつ、
あとは自分にできることは何も無いという、ちょっとした焦燥感を感じながら
金曜日の夜を過ごすのでした。

(つづく)