消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

スターライトカメラが映しだすのは、闇夜の本性か、隠された真実か

暗闇のわずかな光も逃さない。
それがスターライトカメラ。
ほんのわずかな、月明かりですらない、星明り。
人間の目には漆黒にしか感じ取れない闇夜の中で
うごめくもの、あり。

…猫だ。
いや、デカ猫、ライオンだ。ほんとすげぇ肉球だぜ、ライオン。
(タイに旅行に行った時にトラに触りましたが、おそろしくぶっとい腕だった)

アフリカの夜、闇夜の中で
ライオンは狩りをして生活しているそうである。
日中は草食動物の幅広い視野にキャッチされてしまう。
しかし常闇の中でひっそりと擦り寄るハンターに
誰が気づくことができようか。

誰も気付けない。人間も気付けない。
人間のカメラもその姿を捕らえることはできない。

なので、実は、夜間のライオンの行動、生態っていうのは
謎だったそうです。
ライオンに限らず多くの動物らが。
そりゃそうですよね。明かりがなければ映像は撮影出来ません。
そして明かりがあったら動物は警戒します。
自然のまま、ありのままのライオンの生活を捉えるのって
実はすごーく大変だったのだそうです。

意外ですよね?
意外じゃないですか?

でも、21世紀、スマートフォンとインターネットばかりが
やたらと発達しているこの近未来世紀においてさえ、
実は、人間が知っていること、
そのフィルムに収められていることって
おどろくほど少ないのです。

例えば深海魚。深海のダイオウイカ
例えば、一番近い身近な衛星、月。
そして、夜闇にうごめく、夜行性動物の、本当の行動。

そんな謎の一部始終を
「え? ちょっとヤバイんじゃないの? 見えすぎでしょこれ、盗撮じゃない?」
っていうくらい驚くほど赤裸々に撮影を可能としたのが
「スターライトカメラ」なのです。なのでした。

すごい。
すごいんです、これ。
本当にすごい。冗談みたいな高解像度。

↓多分この番組をみたのだけれど
http://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2013046196SC000/

いや、やっぱNHK っていい番組流すね。
村上春樹の「1Q84」でNHK の料金収集人がわりと批判的に
(あるいは象徴的に)描かれていたけれど
受信料徴収に影響出てないかね。今度聞いてみたいな。


んで、とにかくこの番組がすごい。すごかった。
夜行性の百獣の王の夜の生活を、
驚きの高解像度スターライトカメラで追うのだが
その狩りの静かなる躍動感と言ったら。
番組ではスターライトカメラの他にサーマルカメラ、
温度を感知して色分けしてくれるあのカメラも使って
夜のアフリカを映しだしてくれるのだが

実はサーマルカメラの方がすごかった。
「なんじゃこりゃああああ!!」
十数キロ先、点にしか見えないような動物の体温まで
驚くほどくっきりと映しだしてくれるのである。
アフリカサバンナの夜なんて、
もう満天の星空のように動物の光点があふれんばかり。

しかもサーマルカメラ、
我々の拙い知識だと、「もやー」っとした赤やオレンジやらが
青黒い背景の中で体温を表してふやふやしているイメージですが
も、全然。全然ちがいます。
こちらもあまりの高解像度。たまげます。


美しい自然と、そこで生きる弱肉強食の掟をまざまざと見せつけられ、
深く濃い感動が身体の奥の方に刻まれたのですが
そんなものすごい「夜間撮影要カメラ」を目の当たりにして持った感想が
「これ、痴漢とかが手に入れたらわりとかなりアヤシイことになるんじゃ…」

なにしろほんとにすごいですから。
真っ暗闇の中でありありと、身体のラインだけじゃなくて、
筋肉の躍動する筋、跳ね上がる土、震える草原の草に至るまで、
微細に映しだしてくれちゃうんですから。

夜遅く、急ぎ足で帰るあの娘をしっかり見守ることもできちゃうわけで
…いやいや。素晴らしい発明も美しい技術も、
人間、すぐにエロティシズムに結びつけちゃって
ほんといかんですな。いかんいかん。

いかんのですが…
驚いたことに、もう既に市販されているようです。スターライトカメラ。
すげぇな。しかも驚くほど安いじゃないか。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/odin/oe-b201.html
http://japanese.alibaba.com/products/star-light-camera.html

…だめですよ。女の子撮るのは禁止ですからね。
でも欲しいな。夜中に暴れまくってる猫を撮影したり
夜の登山、夜の海、夜のドライブ、なんといっても夜の動物園。
非常に楽しそうでありますわ。