消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その7

5章「探偵◆

整理しておきましょう。
探偵社を雇って手に入れるものはなんでしょう。
まずはとにかく不貞の証拠です。
この証拠がなければ相手を追求することも裁判で勝つことも難しくなります。

不貞を臭わせるメールや相手と二人で飲んでる現場写真では足りません。
「不貞とは肉体行為」
ここを押さえておきましょう。
(もちろん、肉体行為がなくとも精神的苦痛として訴えることはできます)

私が妻のメールから読み取ったのは以下の情報でした。
・非常に遅くまで二人で飲み歩く
・その後相手宅へ泊まりこむ


この「相手宅」という点が重要で、
この辺は「MR ミッションリサーチ」が教えてくれました。
「相手宅への宿泊の場合、『言い訳』の余地ができてしまう。
 裁判になった場合不正を追求するには二日分の宿泊証拠が必要」

相手宅へ宿泊したとしても
「急に具合が悪くなったから」「酔いすぎたので酔い覚ましに寄らせてもらった」
などの逃げ口上が可能となる、ということなのです。

これが宿泊先がラブホテルだったら一撃で良いそうです。
ラブホテルでは、上記の言い訳を裁判員がまず認めないから。
いい大人がラブホテルに入って「酔い覚まし」は無いですわな。


肉体行為をもった証拠が必要なのではないのです。
肉体関係以外客観的に想像しにくい、という証拠が必要なのです。
だからラブホテルや相手のマンションの中の映像、音声はいりません。
間違えて盗聴器なんて仕掛けにいったら逆に不法侵入で訴えられます。

民事裁判では不正入手の証拠も資料になることは既に述べました。
なので不法侵入は「別件」で起訴されることになるでしょう。
しかもこちらは民事ではなく刑事。前科がつきます。


こういった点は、相談時にプロモーションビデオの形式で
「MR ミッションリサーチ」が教えてくれました。
そういう意味で、金額的にはいささか高すぎた同社ですが
相談に行った甲斐は大いにありました。
自分が戦うために何をしなくてはいけないのか、
武器は何でどの程度必要なのかがよくわかったからです。


不貞行為証拠となる相手宅への宿泊現場、二日分。
これが私の求めるロトの剣となりました。


じゃあどうやってこれを入手しましょう。
この時点で私が持っていた情報は
・相手の携帯番号、メールアドレス
・相手の氏名
・相手の「だいたいこの辺に住んでると思われる」情報

こんなもんでした。
そしてもう一つ重要な、予算から算出された「探偵の稼働時間」
これについてはまたちょっと変わってくるのですが、
とりあえず一泊分程度でした。


想像してください。
この持ち駒でばっちり宿泊現場を押さえるのです。
ここからストーリーは「名探偵コナン」の様相を呈してきます。


まずどうしても必要だったのが「相手と会う」日取り。
これが無ければ話にならず、実際これの入手が一番大変と言えるでしょう。
このころ、妻は事の重大さに気づいたのか私の動きに勘づいたのか、
携帯にロックをかけるようになってしまいました。
私は限られた情報で「たった一日」を特定しなくてはならなかったのです。


この点は非常に悩みました。そして実際探偵への依頼日程を何度も変えてます。
金曜日に宿泊するケースが圧倒的に多く感じられていました。
ここもネックでした。
日本は不倫大国、探偵の一番忙しいのも「金曜から週末の夜」なのです。
実に、探偵社のあいていたスケジュールは3週間も先でした。


3週間後の不倫の日程など、さすがに嫁たちも入れてません。
さぁどうする。
ここで私が考えたのは「罠にはめる」ことでした。
なんか一気に物語性を強めていきます。実際頭の中で名探偵コナンになってました。

しかし楽しむ余裕なんて全くありませんでした。
一晩失敗すれば15~30万が水泡に帰すのです。洒落になりません。
確実に嫁にハメてもらわねばならない。なんかだいぶ矛盾した展開となります。


私の用意した「罠」とはどういったものだったでしょう。
考え抜いた経緯を話すと物語性が増して面白いのですが
本筋とは関係なので実際だけを話します。

・少しの間会えない期間を作る=会いたくなるので行動が予測しやすい
・翌日私が朝から出かけることをアピールする=宿泊しやすい状況提供


まさしく名探偵コナンばりの「誘導」を実施したのです。
もちろん相当な苦労と緊張感がありました。
この期間、一番睡眠が減り、食欲が減退し、ダイエットになりました。
仕事的にも一番キツイ時期だったので、こちらが倒れる寸前でした。

まさに戦い。
離婚とは、どちらかが倒れるまで続く持久戦でもあるのです。

(つづく)