消えかかる記憶の寝言3

渡るつもりなんてなかったのに、人生常々渡り鳥。カトウリュウタの寄港地ブログ。

僕とネコと離婚物語~ 100 %勝利へ~その20

番外編「不倫とケータイ」


ケータイの進化と一般化と普及は我々の人生を一変させた。
ケータイ普及前、一体全体どうやって待ち合わせていたのか
思い出すのも難しいんじゃないだろうか。

そしてケータイ普及前、
不倫はどうやってやっていたのだろう。


昔のドラマなんかで噂を聞くに、
書類とかに付箋でメモを貼って
「今晩八時、いつもの場所で」
みたいな伝言をしていたらしい。

うぇー、今日は残業でその時間無理だってー。無理無理ー。

って言う時はどうやって通信してたんだろう……???
付箋に書く、とか?
顎を三回以上なでる、とか?
……ほんと。時代は変わったもんだぜ。


さて2010年。
現代においての事情は
「ケータイからスマートフォンへ」
携帯キャリアの回し者ってわけじゃないですよ?

過去、ポケベルからケータイへの過渡期があったように、
今もまたスマートフォン移行の過渡期だと思うんです。


「不倫を見つけるにはiphone よりケータイ」


嫁と最後の春を過ごしていた折、
iphone も事の外安くなっていたものですから、
家族で(まだ当時は家族でした)iphone にする計画が持ち上がりました。

特に嫁はapple 信者的なところがありまして
まずはApple。次にAdobe っていう典型的な女でした。
ipad 発売にもだいぶ反応してましたから。


まずい。


そう思いました。
私は嫁の不倫情報をほとんどすべてケータイから得ていたのです。
言ってみればケータイはユダ。
彼女の不倫を進めるマストアイテムでありながら
私に情報を提供するまさしく裏切りのコウモリ。

ケータイを素早く操作して
私のSDメモリーカードに差し替え
メールのバックアップを実施し
心臓が張り裂けそうな緊張感の中であまりにも遅いバックアップ速度にやきもきし
大慌てでSDメモリーカードを交換し
何事もなかったかのようにケータイを同じ位置に戻して

嫁が風呂から上がってくる。


この操作には熟練した慣れと度胸がいります。
長年使ってきたAU であるからこそできる技の冴え。
「このアクションなら使った形跡は残らない」
メモリーカードへのバックアップ手順」
「メール受信通知があったけれどメール操作してしまったから、カムフラージュに俺からもメール送っておこう」
これらは技術者として、AU ユーザとしての自信と誇りのたまものなのです。


iphone? なんだそれ? 目を洗浄するヤツ?


こんな生半可な知識でiphone 不倫されたら
あなた太刀打ちできますか、と。


iphone は不倫に向かない。
そして不倫に向いている、とも言える。


例えば配偶者がiphone を使用していない場合。
普通のケータイ(ガラケー)を使っている場合。
これはもう、鉄板で浮気の証拠なんかさぐれません。
操作難易度といったらありゃしないiphone。メールも着信履歴も簡単には見れないでしょう。
よしんば見ることができたとして、
外部記憶メディアがない。証拠のメールを保存できない。
メールをいちいち読んでいる間に夫が起きてきてしまう。
写真に撮る? 寝ぼけてるの? シャッター音はどうするの?
まさかEvernote で同期するわけにもいかないですしなぁ!!

こうして妻はiphone から浮気の証拠を抜き取るのを断念せざるえないのです。


しかし一方で、iphone は「着信履歴を一件ずつ消せない」
という、イヤガラセとしか思えない仕様があります。
出張で泊まってくるたびに着信履歴がまっさら、というのもいただけないですわなぁ?
(これはiphone を「脱獄」することで改造できるのだけれど、それは別の話)


というわけで、iphone は「不倫するにもされるにも向かない」
そういうスマートフォンになるわけです。


信じるかどうかは、あなた次第。


ポケベル、携帯の登場で大きくその方程式を変えた不倫スタイルは
ネットの普及をもって多岐に渡り、
iphone などのスマートフォンを得てさらに複雑な分岐をしていくのです。
Xperia やAndroido 携帯、Windows mobile7 が今後我々の生活を
どのように変えていくのか。
この先にはどのような進化が待っているのか。
うーん……夫と妻の、イタチごっこ……


かくして、我が家はiphone 移行をのらりくらりと進めずに、
あえて停滞させて
AU で離婚にまで至るのでした。


俺のやってることが女々しいだって?
勝つためにどこまでやるか、だろ?
中途半端な試合してんじゃねーよ。

(番外編、終わり)